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その後のジークフリート

Moby_dick_ahab2書きかけのまま時間が経ってしまってちょっとタイミング的に中途半端だし、ぜんぜんまとまっていないのですが...

 
METの「ジークフリート」のチャンスをものにして、「神々の黄昏」のジークフリート役も、4月、5月のリングサイクルや、来シーズンのリングサイクルのジークフリート役も獲得したジェイ・ハンター・モリス。

サンディエゴ・オペラで、2月18日~26日の間に”Moby-Dick(白鯨)”の主役エイハブ船長を歌うことになっていたのですが、METの「神々の黄昏」の日程(最後が2月11日)と近すぎるために、サンディエゴの方を降板して「神々の黄昏」に専念することになっていました。

モリスに代わってエイハブ船長を歌うことになったのはベン・ヘップナー。
もともと、2010年の初演の時にエイハブ船長を歌ったのがベン・ヘップナーですから、これは当然のキャストチェンジなのですが、モリスとの関係にはちょっと因縁めいたものがありました。

そもそもMETの今シーズンの指環でジークフリート役に予定されていたのがベン・ヘップナーで、それが今シーズンのスケジュールの正式発表直前にもうジークフリートは歌わないことにしたからと降板。代わりにキャスティングされたのがギャリー・レイマンだったのにこのレイマンも不調で、本番直前にジェイ・ハンター・モリスが抜擢されたわけです。

モリスのジークフリートが成功したために、そのモリスの代わりにエイハブ船長を歌うのがベン・ヘップナーと言うわけで、なんだかぐるぐると役が回っている感じですね。

ところが”Moby-Dick”の初日を歌ったヘップナーがあまり調子が良くなかったというウワサが聞こえてきたと思ったら、ヘップナーは降板するとのアナウンスが。
最近発表されたばかりのジェイク・ヘギー作曲の新作オペラ”Moby-Dick”の主役を歌えるのは現時点では世界でヘップナーとモリスだけ(モリスは昨年の8月にオーストラリア公演を歌っています)、ということで、21日以降の3回の公演は結局モリスが引き受けることになったのだそうです。

モリス本人も Twitter に舞台で使う義足と帽子の写真(この写真を上でお借りしてます)をアップして

Well hello old friend. Shall we dance?

などとつぶやいていました。

Moby_dick_ahab エイハブ船長はモービーディックとの闘いで片足を失っている設定なので、舞台上ではひざのところで片足を折り曲げてベルトで固定し、この義足をつけて演じるという、肉体的にかなり辛そうな役です。

またもやモリスが急遽主役を引き受けたということでレビュー記事がいくつも写真入りでネットにも上がってきていました。

UTSanDiego.com: New tenor puts the drama back in 'Moby-Dick'

Opera West: Jay Hunter Morris superb as Ahab replacement in “Moby-Dick”

Opera Tattler: Casting Change for San Diego Opera's Moby-Dick

Opera Today: Moby-Dick, San Diego

OVERNIGHT REVIEW: "Moby-Dick" sails into San Diego

これらを読むと、モリスのエイハブ船長の評判も良いのですが、この”Moby-Dick”というオペラ自体がとても良い作品らしく、とても面白そう。

サンディエゴ歌劇場のメイキングビデオも YouTubeにありますが、セットの製作や練習風景などこれを見てもなかなか良さそうなんです。ちょっと見てみたいですね。

San Diego Opera Spotlight: Moby-Dick

このオペラはダラス、サンフランシスコ、サンディエゴ、カナダのカルガリーの各歌劇場と、アデレードの南オーストラリア州立歌劇場の共同制作とのことで、今年の10月にはサンフランシスコでの上演が決まっています。(今のところ、8回の公演のうち最後の2回だけがモリスの予定で、それ以外はヘップナーがエイハブ船長を歌う予定。)

 

YouTube には南オーストラリア州立歌劇場が掲載しているモリスのインタビュー動画がありますが、この冒頭と最後の部分でエイハブ船長のシーンをちょっと見ることができます。

Spotlight on: Jay Hunter Morris in Moby Dick

またモリスはこの役をかなり気に入っている様子で、いかにこの役を歌うのが楽しいか熱く語っているのが印象的。

また、今年の2月5日にMETでの「神々の黄昏」上演に合わせて、ニューヨーク・ワーグナー協会が主催した”Met Cast Roundtable” から、モリスの回答部分を抜き出して編集したものをニューヨーク・ワーグナー協会が YouTube に掲載してくれています。

Jay Hunter Morris: Met Cast Roundtable

こちらでは自分たちはあらゆる点でベストを尽くすだけだと熱く語っていますし、ここでも”Moby-Dick”が話題になって熱弁を振るってます。
本当に大好きなオペラみたいですね。

公演の最終日にTwitterで

ピークォド号はサンディエゴから最後の航海に乗り出した。私は今朝の荒れた海で髭を剃っていて切ってしまったよ。

と、派手に傷を作った舞台メイクの写真を載せてます。

なんだかんだで結局4回のうち3回の公演を歌うことになって、しかもその評判も良かったのですから、ジークフリート以降、すべてが彼にとって良い方向にめぐってきているようです。

そのチャンスを逃さず全力で立ち向かっているところが一番好感が持てるところ。

急な代役だった「ジークフリート」よりリハーサル期間が十分にあった「神々の黄昏」の方が進歩の跡がみられましたから、日本時間で4月22日午前0時から、リング・チクルスの中で上演される「ジークフリート」がネットラジオで中継されるので、ライブビューイングの時に比べてどのぐらい進歩したか聞くのを楽しみにしたいと思います。(中継のあるネットラジオのリストはこちら

twitter/punkt_ochibo

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