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NY旅行記:第3日目 ブラボー!

Faust_01第3日目:12月10日(土)

今日はいよいよ今回の旅行の最大の目的、メトロポリタンオペラの「ファウスト」を見に行く日です。

メインキャストのキャンセルの可能性が最も少ないだろうと考えて、HD(ライブビューイング)の収録日であるこの土曜日のマチネーをあえて選びました。

マチネーの上演開始時間は午後1時なので、今日は寝坊をして、ゆっくり身支度をしてでかけることに。

(写真はすべてクリックで大きくなります。)

前日購入した7日間乗り放題のメトロカードがありながら、改札口を通りそこなってすぐに地下鉄に乗れないというちょんぼをやらかしましたが、無事に開演時間の前にオペラハウスに到着。

一年前にライブビューイングを見にせっせと映画館に通いはじめたときには、まさか一年後にニューヨークまで来てしまうとは思っていませんでしたけどね、とちょっと感慨にひたったりして...

さて、お上りさんよろしくオペラハウスのロビーの写真を何枚か。

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今回の私の座席はグランド・ティアと呼ばれる3階席。正面上手寄りの端の3列目でした。少し視界は斜めになりますが、舞台が見切れることはなくなかなか良い席です。

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ライブビューイングをご覧になった方はご存じだと思いますが、上の写真に写っている客席の前のシャンデリアが、いよいよ開幕という時間になると天井に向かって引き上げられて客席の照明が落とされるのですが、このシャンデリアがスルスルと目の前を上がっていくのを見ると、いよいよ始まる!とすごくわくわくしてきます。

さて肝心のオペラですが、なんといってもパーペのメフィストフェレスが素晴らしかったです。
大きなオペラハウス全体に艶やかで豊かな声が無理なく朗々と響き渡るのにうっとり。lovely
演技の方も、ちょっとお茶目でなかなかダンディーな悪魔。
ステッキで人々を思うさま操ってるわりには、十字架をつきつけられるとちょっとヨロヨロしたりして(笑)

カウフマンのファウストと常に衣装がお揃いの姿なのは、実はこの悪魔はファウストの分身という設定のようですね。
2幕に出てくる有名な「金の子牛の歌」では、最後にちょっと不思議なダンスまで披露してくれてます。wink

YouTube に英語字幕付きの「金の子牛の歌」のビデオクリップがあるのでご紹介しておきますね。

カウフマンのテノールとしてはやや暗めの声は、冒頭の年取ったファウスト博士のシーンなどはほとんどバリトンのように聞こえたりしますが、愁いを含んだハンサムな容姿と合わさるととても魅力的。

マルガレーテを歌ったポプラフスカヤさんは、ちょっと寂しげな彼女の声質が不幸なこの役にとても合っているように思いました。

カーテンコールでは歌手のみなさんや、指揮者のヤニック・ネゼ=セガンには惜しみない拍手とブラボーの声が盛大にかかっていて、私の周りもみんなスタンディング・オベイション。
パーペには絶大な人気を誇るカウフマンを凌ぐほどの喝采が集まっていましたし、私ももちろん、ブラボー! ブラボー! と叫ばさせてもらいました。

一方で、舞台を20世紀前半に移し、ファウストを原爆を開発した科学者にして原爆や原爆ドームの写真などを出すデス・マッカナフによる新演出についてはあまり必然性は感じられず、なるほどこう来たかというところもほとんどないので、カーテンコールで舞台挨拶に出てきたマッカナフ氏に対しては拍手にブーイングが混じっていました。coldsweats01

それでも歌手や音楽の出来は良かったので、1月14日~20日のMETライブビューイングは期待していただいていいと思います。

 

たっぷりオペラを堪能した後は、ヴィゴがフロイト博士を演じている ”A Dangerous Method” を見ることに。

この時点ではまだ拡大公開になっていなかったので、ニューヨークで公開している映画館は2館のみ。そのうちの1館が、オペラハウスのあるリンカーンセンターの目の前の Lincoln Plaza Cinema だったので、オペラの後に行くのに好都合でした。

Lincoln Plaza Cinema は小さなシネコンで、ADMについては6つあるスクリーンのうち2つを使って一日に十数回上映していました。ADMの前に上映されたいくつかの予告編を見た感じでは、アート系の映画を重点的に上映している映画館のようですね。

私が見た夕方の回では、100席ぐらいの座席が7割ほど埋まっていてなかなか盛況の様子でした。

映画の方は、セリフ重視の作品に対して私の語学力がぜんぜん追い付いていないので、上っ面だけの感想になってしまいますが、ヴィゴの化けっぷりが凄かったです。今までみたどの映画の役とも違うんです。

R指定であるものの、映画全体の感じは重厚な文芸路線・歴史物に近く、抑制が効いた作りで、盛んにクローネンバーグ監督らしくないと言われるのも成る程な感じ。
もっとエグイものでも期待していたのか途中で席を立った男性もいました。

冒頭のヒステリー症状のキーラちゃんの表情とかは強いて言えばちょっとグロかもしれませんが、グチョッとした感じとかはないのがらしからぬと言われる所以でしょうか。

クロ監督らしさはドライな ユーモアにあるようで、私は語学力の問題もあってちゃんと理解できていませんが、お客さんたちはちょこちょこ笑ってました。

キーラの体当たり演技は称賛に値します。キーラとミヒャの絡むシーンや話題ばかりが先行したスパンキングシーンもありますが、全然エロティックではなくむしろ痛々しかったです。

ちょっと興味深かったのは、セリフの中にワーグナーの「ジークフリート」に言及した箇所があって、音楽も「ワルキューレ」の音楽を一部アレンジしたものが使われていたりしたこと。
こんなところもこの映画が文芸路線的な感じがする部分ですね。


twitter/punkt_ochibo

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