« 「ザ・ロード」試写会情報 | トップページ | イタリアの雑誌のスキャン画像 »

”Black Death”プレスキット: ショーン・ビーンのインタビュー

Blackdeath_7 イギリスで5月28日に公開予定の”Black Death”のプレスキットが、配給会社 Revolver Entertainment のこちらにあることを先日お知らせしましたが、その中からショーン・ビーンのインタビュー部分を全文ご紹介します。

ショーン・ビーン 「ウルリック」

Q: これを最初に読んだとき、彼のプロジェクトのどこが気に入りましたか?

A: 私は以前からずっと歴史のこの時代に興味をもっていたんだ。この時代はかなり気味悪く、ひどく血みどろでとても恐ろしく、このせいでヨーロッパ中の何百万人もの人々が全滅させられたので、学校のほとんどの子供たちはこの時代に惹きつけられると思う。黒死病の症状はとても身の毛がよだつようで、歴史の本の中に見る図像は、ほとんど歴史書の中の小さなホラー映画のようだ。子供としては、中世の村の穀物条例や機織かごにはあまり興味がないだろうが、黒死病には常に、今でも心を捉える - 間違いなく私にとって - と思うこの非常に暗い主題が存在するある領域が何かある。

私はまた、人々がどのように宗教によって支配されていたかにとても興味がある。宗教に付随する偉大な信仰と、それに付随する権力について。この恐ろしい大惨事がやってきた時、それに続く長い間、それは権力に影響を及ぼし宗教に影響を与えた。これが宗教倫理の問題や、ほとんど地上の地獄のようであるこのような悲劇、混沌と騒乱の時に何を信じるかという信仰と道徳のジレンマを取り扱っているので、この脚本に惹きつけられた。選択はとても限定されている。信じるか信じないか。もしも信じないのなら、まったく違う方面からとても薄い氷の上をスケートすることになる。これがなぜ私がこの脚本に惹かれたかという理由で、これはただのホラー物語ではなく、これは火あぶりになった人々についてではなく、これは魔女やコウモリが飛び回る恐怖のためのホラーではない。この全体構造は宗教のジレンマと、どれほど信仰の恐怖から自分自身を守るのかということに基づいている。

 

Q: 監督としてのクリスとの仕事はどんな感じでしたか?

A: あらゆる点で彼はとても良い監督だよ。彼は本当にすべての役柄やどのように物語を作り上げるかを理解していた。彼は脚本やその時の時代に忠実過ぎるということはなく、提案に対してとてもオープンだった。私たちはとても上手く脚本から形にしたと思っている。朝、セットにやってくると、物事がなにか進化しているのでまったく驚くよ。クリスはそれを生き生きさせるのを本当に助けたと私は思う。彼はその意味で本当の芸術家だし、彼はまた現実感覚、私たちや役柄にそれをもたらす現実主義を持っている。彼は人々から最高のものを引き出す本当の才能があって、彼と一緒に仕事をするのはとても喜びだった。彼はとてもリラックスした態度だが、またとても決然として真剣でもあった。私たちは、この手の映画の制作にはしばしば付き物の懸念や心配なしに多くのことを成し遂げたよ。

 

Q: ドイツで仕事をするのはどんな風でしたか?

A: こちらで仕事をするのは素晴らしかったよ。私たちがいたこの風景と場所はとても素晴らしかった。ザクセンアンハルトでは人々とコミュニティーからこのような支援と寛大さを示していただいた。他の場所で私たちが得たものを獲得するのは難しいだろうと思う。ここにある建物、森 - これらはこのような映画を制作するのにまさに完璧な場所だ。

別の国で仕事をしたなら難しかったかもしれないね、ここには言葉の壁があるのにここの誰もが素晴らしかった。このプロダクションには流動性ががあったが、それはドイツ人スタッフたちが本当に後方から支え、本当にこれに打ち込んだ結果なんだ。

 

Q: あなたが最も撮影を楽しんだのはどのシーンですか?

A: 戦いのシーンがとてもリアルで良かったね。おそらく、クリス・スミスはブリストル・シティのサッカー・グラウンドにおける彼の人生の中で、すごくたくさんの戦いを見てきたのだろう! だから彼はこの種のリアリズムをもたらしたんだ。これらの戦いの彼の撮影の仕方は途方もないよ。戦闘シーンを撮るとき、ある瞬間を取り上げて戦いの一部を撮影するものだが、クリスは実際、すべての人たちを実際の衝突に投入したんだ。あらゆるところで剣がきらめき、ブーツが飛び交い、拳が飛び交った - 騒乱だったよ。私は「トロイ」から「ロード・オブ・ザ・リング」までたくさんの映画の仕事をしてきて、これらには優れた戦闘シーンがあるが、監督が利用できる時間と得られる人々をこの映画の中のこのように素晴らしい戦いを作り出すために使うのをこれまで見たことがなかった。

すべての戦いには物語があり、すべての瞬間に物語がある。これが役柄たちと彼らが遭遇した邪悪なものについて何かを語る。これらのシーンを見ていると、きっとあなたは自分の人生のために本当に闘っているので同じことを考えるだろう。このように観客が共感を感じることができるのは、そうそうあることではない。

 

Q: この映画の魅力はなんでしょう?

A: これには観客に広く訴える何かがあると私は思う。今は私たちには選択の自由があるが、この頃は選択の自由はなく、信じるか信じないかのどちらかで、信じないのなら気をつけたほうが良い。

今はほとんどの人々は、選択の自由があって他のみんなが持っている信仰を持っていないことで罰せられない、民主主義世界で自由主義社会に住んでいるだろうと思うが、これはその中にいる社会にとって健全な状態だと私は思う。

だが知っての通り、過激主義者がいるので、ひとたびくすぶっているものが熱狂に変わるとこれは危険だ。何を信じたいかは観客次第だと思う。ウルリックにも一理あると考える人がきっといるだろうし、別の人は彼はある種の怪物だときっと思うだろう。私は個人的には、あの時代では彼はとても良い男だったと信じている。

 

Q: ウルリックとオズモンドの間の関係について話していただけませんか?

A: この物語の最も興味深い要素の1つがこの2人の男の間の関係だ。彼らは2人とも神の人だが、オズモンドは、私たちがみな若かった頃そうであったろうと私が思うように疑念を持っている、より若い男なんだ。彼は、もしも神が存在するならなぜこのような災害があって、神がこのようなことが起きることをお許しになるのか、という問題について疑念を持っている。ウルリックはこの点を超越していて、彼はこの物語の間中、これは神のご意思だと言う。ウルリックはオズモンドを尊重している。もしかしたら彼はオズモンドの中に、自分自身の何かを見たのかもしれない。ウルリックの信仰についての強硬路線にもかかわらず、オズモンドは彼を尊重し、彼はウルリックが何を超えようとしているのかを理解することができた。この映画の中で後ほど、どれほどウルリックがオズモンドに影響を与えたかという波紋を見ることになる。彼ら2人の間はとても複雑な状況になり、敵対と衝突があるが、相互の敬意も存在する。

オズモンドがウルリックには心がないと言ったとき、ウルリックがそれにとてもショックを受けて傷つくという、彼らの間のとても胸を刺すような瞬間がある。これは彼に向けた非難だと愕然として、彼はかつて妻と子供がいたが「今は神の御許に座っている」と弁明し始めた。
この瞬間、あなたはこの男の過去についての重要なことを理解し、今の彼はどのようにして来たのだろうかという疑問を持たせる。これが私が役柄を演じるときにいつも意識するようにしている重要なことなのだ。ウルリックに過去の歴史があって、おそらくそれはいつも表面の下でくすぶっているのだ。
彼にはある不運と不幸がある。彼は無慈悲な男ではないが、彼の人生の中で多くの破壊的なことを見てきていて、たぶんこれがなぜ彼が宗教について、神と彼の偉大な信仰を続けることについてこのように強硬路線を取らざるを得ないのかという理由なのだと私は確信している。

やはり暗黒の中世の血なまぐさい物語...という感じになりそうですね。shock

 

twitter/punkt_ochibo

|

« 「ザ・ロード」試写会情報 | トップページ | イタリアの雑誌のスキャン画像 »

Black Death」カテゴリの記事

Sean Bean」カテゴリの記事

コメント

う~ん、冷静な受け答えに惚れ直しますv
いつも、素晴らしい翻訳をありがとうございます!

ヨーロッパの人達には、やはりこの時代、この黒死病は特別な意味合いを持つのですね。
ショーンが宗教を語っているのが、とても新鮮でした!

投稿: まめたろう | 2010.05.12 12:02

ホラーというよりかなり宗教色の濃い作品みたいですね。ウルリックという役はビジュアルだけでなく、内面もボロミアに似ているように思えます。

投稿: chizu | 2010.05.12 12:56

まめたろうさん
ヨーロッパの歴史の古い町に行くと、よく旧市街の中心部にペストが退散したことを記念した像とか噴水とかがありますよね。
ヨーロッパ中の全人口の1/3から1/2の人たちがペストで短期間に亡くなったと言われていますから、それはもう信じられないぐらいの大災害だったのだろうと思います。
神が人類を滅ぼそうとしていると考えた人たちも当然いたでしょう。

chizuさん
ウルリックは、狂信的な原理主義者で、神のご意志を剣で伝えるのだ! というタイプなのだそうです。
ボロミア以上にコチコチで、反対する人々にとっては恐ろしい男なのでしょう。

投稿: punkt | 2010.05.12 23:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「ザ・ロード」試写会情報 | トップページ | イタリアの雑誌のスキャン画像 »