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クローネンバーグ監督「イースタン・プロミス」続編と”A Dangerous Method”について語る

Premiere2010may フランス版 PREMIERE の5月号は、ヴァンサン・カッセルを特別編集長にしたカンヌ特集号なのだそうですが、その中でヴァンサンがクローネンバーグ監督に電話インタビューした記事があります。

viggo-works のこちらに記事のスキャン画像が、またこちらには Chrissiejaneさんによる英訳があります。

「イースタン・プロミス」で一緒に仕事をし、また今月から”A Dangerous Method”でも一緒に仕事をするヴァンサンとクローネンバーグ監督の中なので、監督と俳優の関係がわかるとても内容のあるインタビューなので、インタビュー部分を全文ご紹介いたします。

ウワサの「イースタン・プロミス」続編についてと、新作 ”A Dangerous Method” についても語っています。

デイヴィッド・クローネンバーグ、奇妙な映画のイヴ・サンローランは、その中でヴァンサン・カッセルがトラブルメーカーの新しい役を演じる予定の精神分析学についての映画の準備をしている

 

ヴァンサン・カッセル: もしもし、デイヴィッド。話ができるかな?

デイヴィッド・クローネンバーグ: ダンサー、火食い芸人やあらゆる種類のミュージシャンでいっぱいのケルンのとても賑やかな通りを歩いているところなんだが、話すことはできるよ。どこかもっと静かなところに行こう。さて、今君はジャーナリストなのかな?

Premiere のこの号の編集長という私の肩書きの恩恵でね。私たちがどちらの方向に向かっているかというちょとした洞察を与えるのは興味深いだろうと考えたんだ。私はユングを読むことで準備をしていて、それはとても啓発的だったと喜んであなたに報告するよ。まず、あなたの今の仕事のやり方は、最初の頃のものとはぜんぜん違っているのかどうか知りたいな。

最後にはいつだって、自分独自の監督のやり方を作り上げるものだ、なぜなら誰も比べることも「私はあなたよりも良く知っている。」と言うことはないからね。自分が俳優として働いた時と、だれか他の人のセットを訪問した時を除いて他の監督たちと話をしたことはない。監督としてのやり方は無数にある。私自身の方法はとてもすぐに見つけたと思う。私の最初の2つの長編ホラー映画はとても低予算で、膨大な制約、多くのプレッシャーと、とても短い時間で仕事をしなければならなかった。それで私は多くのこと吸収した。なかでも私はテイクの数が多いのは嫌いなんだ。もしもある俳優が不満足で別のテイクを望んだのならOKだ。だが私は、あたかも舞台であるかのように3週間俳優たちとテーブルを囲んで脚本を何度も読むような監督の1人ではない。かつて「ザ・フライ」で試したことがあるが上手くいかなかった。リハーサルはとても模造の状況下で行なわれたので何も重要なことを私に教えなかった。セットに入るとすぐに、そのグループ、セット、衣装、メイクアップの物理的な実体のせいですべてが変わってしまう。

 

あなたが説明されたやり方にまったく同意しますよ。重要なことはその瞬間に起こっていること。以前に比べてあなたの俳優たちと話すのはより多いのかな、より少ないのかな?

私の最初の2本の映画では、私は俳優たちを陶器店の中の雄牛のように見ていた。自分が陶器店で、グラスのように壊れやすいと感じていた。タイトな計画のせいで俳優たちと即興をする時間はなかったんだ。私は「君はこの椅子に座って君のセリフを話すように。」と言わなければならなかった。その俳優が「でも立ち上がって窓の方に行ったら?」と提案した時、私は照明をやり直さなければならないという考えでパニックになったので、それは問題外だった。そこで私は彼に座ったままでいることを納得させるための理由をでっち上げなければならなかった。後になって、俳優を信頼してなぜ彼が窓のところに行くことを許すのが困難なのかを説明できたと気が付いた。私たちは全員一緒に同じ船に乗っていたのだ。あれが私にとって、俳優たちを共同制作者として見て、敵対者だとか嘘をつかなければならない操る人だとは見ないという1つの天啓だった。ある監督たちはどんな場合でもそうやっている。

 

あなたは私たちにたくさんのゆとりを与えてくれるので、本当にあなたと仕事をするのを楽しみましたよ。要求がありすぎることもなく、どんな提案にもオープンだったのを思い出します。

せいぜいアドバイスぐらいのところだ。でも何よりもキャスティングの技術だね:良い俳優たちを選択することは本当にプロダクションの重要な部分なんだ、たとえそのやり方がよく認識されていないとはいえね。ひとたび良い人柄でぴったりの容姿のだれかを見つけたなら、あと残っているのは穏やかなアドバイスを与えることだけだ。その俳優が優れた直感を持っているのなら、しなければならないのは彼に自分の道をたどらせて、必要なら照明の修正を提供することだけだ。これを続けてそれを発展させる。レイフ・ファインズは「スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする」で、これまでにこれほど指示されなかったことはなかったと私に言ったよ。それにもかかわらず、彼はこれを彼の最も良い映画の1つだと思っている。

 

私はすでにたくさんの監督たちと仕事をしてきていて、一緒に上手く仕事をした監督たちのことで気が付いたのは、彼らが私に言ったことで重要なことはそれほど多くないが、彼らがどのように私を見ているかが重要なのだということ。彼らのまなざしは、私に彼らが何に失望し何を気に入るのかを見つけさせる。これが、調和をとるのになぜあなたがたくさん話す必要がないかということだと思うのだけど。

その通りだね。何人かの監督たちは多くの抽象語で語るのを好む。だがそれは支配しようという彼らのやり方なのだと思う。価値のある俳優は観察されて常に評価されていると感じることが必要だ。このような監督は君がやっていることを見ないので尊敬を引き出すことはできない。

たとえそれについて口に出して言わなくても、あなたが私のごく小さな身振りでも注目していると信じてますよ。

それが素晴らしいのなら、それについて長々と話そうとはしないよ。でも彼らが正しい方向に向いていると知る必要がある場合には、彼らが素晴らしい仕事をしていると俳優たちに話すことには賛成するね。一方、そのテイクにおける人を驚かせるやり方のために誰かにお祝いを言おうとはしない。たとえそれに注目して気が付いたとしてもね。

 

Eastern Promises 2 についてインターネット上で多くのウワサが広まっています。正確にはどの段階にいるのですか?

私が続編をやることを考えたのは本当に初めてのことなんだ。今回は、あのキャラクターたちについて私はまだ終えていないという強い思いを持った。たとえば、私はキリル(カッセル)とニコライ(モーテンセン)をロシアで見てみたい。私たちはプロデューサーのハワード・ウェブスターと打合せを行い、基本となるアイディアからスティーヴン・ナイトが素晴らしい、びっくりするほど良い脚本をすでに書いた。そしてこれはただ最初の一歩だ。私たちは予算を立てなければならないなど、まだその周辺にたくさんの仕事があるが、これは実現可能だし私はそうしたい。キリルはこれに出てくるし、もちろん私たちは君にこの役を申し出るだろう。

またとてもホモエロティックなのかな?

ある部分はそうだね。でもちょっとは異性愛もあるよ。(皮肉な笑い)

 

なるほど。ところであなたは今、”A Dangerous Method”の撮影開始にあたってケルンにいるのですよね?

私は撮影の終わりまでここから動かないつもりだ。ウィーンでのいくつかのシーンの撮影と、他に南ドイツの湖の近くの別のシーンを除いて。でもほとんど全部、ケルンのスタジオでだろう。

ヴィゴと私はこの映画で再会する予定だけれど、これは偶然?

これは完璧なキャスティングの問題だよ。君が言う通り、これら2本の映画の中における君たちの役の間の関係には奇妙な類似性がある。Dangerous Method では、君はとても変わり者の精神分析学者、反社会的な扇動者の若者のオットー・グロスを演じる。そして、指導者、コントロールする人はフロイトで、もちろんヴィゴによって演じられる。当初、私たちは別のある人がフロイトを演じると考えていた、だから君とヴィゴの間ではなかったかもしれない。だが運命は他の方法を命じた。運がついていれば最後には必要とする人々を得る。だが私は君たちを再会させるどんな義務も感じているということはない。もしもこの役が君にふさわしくなかったなら、これを君にオファーするというサービスはなかっただろう。

私が何を考えているかご存じでしょう:妙な話だけど、私はこの役が言っているすべてのことと意見が一致してるんです。

(笑)そしてそれも偶然、とはいえ、ヴァンサン、君から言われるとそれを聞いても私は驚かないよ!

それを褒め言葉と受け取っておきます。ありがとう! また会えるのが待ちきれないな。

クローネンバーグ監督は「イースタン・プロミス」続編をやる気満々ですね。happy01
なおこのインタビューは、前置部分によるとヴァンサンが4月の初めにこの準備のために編集部と会ったと書かれているので、4月に行われたものと思われます。

一方、”A Dangerous Method” の撮影に関して、Clarin.com のスペイン語のヴィゴの電話インタビューの記事で、ヴィゴが撮影に入るのは5月の末からで、出ずっぱりの役ではないので時々家族の面倒を見たり、他のことができると話しています。

「ザ・ロード」のプロモーションで来日してくれる、という可能性もゼロではないのかなぁ、とつい希望的観測をしてしまいますね。

twitter/punkt_ochibo

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