« 私の休暇:ショーン・ビーン | トップページ | 4月3日 ヌエーボ・ガソーメトロのヴィゴ(2)&雑誌情報 »

再び「ハート・ロッカー」

Hurtlocker2すでに1回感想を書いていますが、どうしてももう1回観たくなって、先日2度目を観てきたところです。

ハート・ロッカー
原題: The Hurt Locker
公式サイト

久しぶりに何度も反芻する映画でした。
気がつくといつまでもいろいろと考えているのです。

私はとても良い映画だと思ったのですが、ネットで映画を観賞した人たちのレビューが集まっているようなところを見ると、案外評価が低い。

題材的に、どちらかというとアメリカ軍を称賛しているかのように受け取る人が多く、そこがひっかかって評価が下がっているような感じなんですね。
私はそうは思わなかったんですが。

ザ・シネマハスラーの宇多丸さんの映画評は、口は悪くともなるほどねぇと思うところがいっぱいあって、ポッドキャストを聴くのを楽しみにしているのですが、「ハート・ロッカー」の回については何だか逆にひっかかるものが。

 

さて、ここから先は、思いっきりネタバレ地帯に突入します。

なんだか釈然としない思いでいたら、映画評論家の町山智浩さんが、Twitterで宇多丸さんに「モノ申す!」と...

Togetter - まとめ「町山智浩さん ライムスター宇多丸さんの『ハート・ロッカー』評について」

これはとても参考になりました。

この Twitterでの発言がきっかけとなって、ザ・シネマハスラーのポッドキャストに「放課後DA★話特別編」と題して、町山さんと宇多丸さんの電話対談が3部に分かれて掲載され、町山さん自身のブログにはこれに関連して映画に使われた音楽の話が掲載されています。

放課後DA★話特別編 【Part 1】【Part 2】【Part 3】

ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記:「ハート・ロッカー」論atタマフルのための音楽

このポッドキャストが公開された後にも、町山さんがさらにいろいろフォローされているのですが、これを読むと自分も「戦争は麻薬だ」という冒頭のキャッチに思いっきり引きずられていたことに気がつきました。

Togetter - まとめ「町山智浩氏の映画批評論

 

そして、どうしてもいろいろ確かめたくなって、2回目の観賞に出かけたわけです。
「ザ・ロード」を配給してくれるブロードメディア・スタジオさんの売り上げにも貢献できますからね。happy01

2回目なので、今度はできる限り俳優たちの表情や演技に集中して観るように心がけました。

すると、なるほど、ジェームズ(ジェレミー・レナー)は、最初に爆発物処理に行く時は、ほとんど鼻歌でも歌いそうなほどワクワクと実に嬉しそうな表情をしているんです。爆発物処理が楽しくてしょうがないんですね。

あんなに自信満々だったのに、人間爆弾にされかけて死んだ少年を見た時に明らかに動揺を見せ、そこからどんどんとおかしな方向に。彼にいろいろな意味で迷いが出てきたわけです。

いったん帰国したのち、再びイラクで爆弾処理にあたるべく、特殊防護服に身を固め、爆発物に向かっていくジェームズはうっすら笑みを浮かべているのですが、最初の目を輝かした表情とは明らかに違うのです。

単にスリルを感じるからとか、面白いから(爆発物がぎっちり詰まった車を処理した時は、「あぁ、面白かった」と言ってますよね。)ではなく、自分のやるべきことを見出した覚悟とか悟りのようなものが感じられるのです。
彼は戦争という麻薬に中毒しているかもしれないけれど、人間としては成長しているのですね。

ジェレミー・レナーが主人公の心の動きをきちんと演じ分けているのに、ちゃんと読み取れてなくて失礼いたしました。
町山さんが、「マイレージ、マイライフ」とある意味良く似ている、とおっしゃっていたのも納得です。

字幕に頼らざるを得ない場合の常として、やっぱり1回だけの観賞だと細かな表情の動きなどをちゃんと追えていなくて、文字で出たものに引きずられてしまって見方が浅くなるのだなと改めて思いました。

 

なお、宇多丸さんの映画評としては、町山さんも絶賛していた「インビクタス/負けざる者たち」の回が目から鱗の見かたで素晴らしかったので、こちらもよろしかったら聴いてみてください。

twitter/punkt_ochibo

|

« 私の休暇:ショーン・ビーン | トップページ | 4月3日 ヌエーボ・ガソーメトロのヴィゴ(2)&雑誌情報 »

映画」カテゴリの記事

コメント

punktさん

確かに反芻する映画でした。 2度目を観に行く時間が無いのでそろそろうろ覚えになってきましたが、なるほど「戦争は麻薬だ」のメッセージに引きずられていると、映画の本質を見逃しますね。
そういえば、ビグロー監督がアカデミー賞で作品賞を受賞した時に、「あと一つ、命を賭して人を助ける消防士にも敬意を表します」というような事を言っていたので、主題はイラク戦争でなくてもよかったのかもしれません。 でも私は、この映画から反戦の主張も感じました。 最小限のセリフと映像で、観るほうに多くを委ねているので、つい何時までも後を引きますね。

投稿: spring | 2010.04.12 23:03

springさん
メッセージを声高に語っていないのですが、何か伝わってくるものが、それもぎっしりと中身が詰まった何かが伝わってくるような気がします。
あぁ面白かった、と観終わったとたんに忘れちゃうような映画とは何かが違いますよね。

投稿: punkt | 2010.04.12 23:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 私の休暇:ショーン・ビーン | トップページ | 4月3日 ヌエーボ・ガソーメトロのヴィゴ(2)&雑誌情報 »