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「NINE」「マイレージ、マイライフ」

Nine今月は見たい映画が多いので忙しい、大変です...

 

NINE
原題:NINE
公式サイト

昨年、アメリカで賞レースが話題になり始めた頃には常に名前が挙がっていたのに、いざマスコミ向けなどの試写がはじまったとたんに評判がしぼんでしまったのを知っていたのですが、ミュージカル映画は好きなのであまり期待をせずに見に行きました。

結果は、ちょっと残念な映画でした。

オスカー受賞者をずらっと並べた本作は、たしかにゴージャス感はあるものの、物語としての芯が通っていずバラバラ。美しい女優達を1人ずつ出したミュージックビデオをただ並べてあるようにしか見えません。

主人公の映画監督グイド(ダニエル・デイ=ルイス)と彼をめぐる女性たちの関係は、女性同士の接点がほとんどなく、グイドと個々の女性の関係しか描かれないし、それもなんだか表面的。

ミュージカルの醍醐味の1つとしては、個々のソロ・ナンバーの他に、2人の語り合いや対立を象徴的に表す二重唱や、複数の登場人物がそれぞれの思いを同時に表す事ができる多重唱(ウェストサイド物語の Tonight のような)があると思うのですが、驚いたことにこのミュージカルにはソロ・ナンバー(バック・コーラスはついていますが)しかありません。

登場人物たちは、それぞれ自分の言いたいことだけ言っているだけで、それに対する反応や応酬がないのです。
ありきたりの筋でも良いのですが、歌で感動させられる、というレベルでもないし...

女優陣の歌と踊りはなかなか良いです。
ペネロペ・クルスはセクシーで妖艶だし、ジュディ・デンチはさすがだし(彼女は途中で足を痛めていなかったら、キャッツ初演のオリジナルキャストだったんですよ。詳しくはキャッツのDVDを観られたし。ちなみにこのDVD版では、昨年のコーラスラインの来日公演の時にザック役を演じていたマイケル・グルーバーが猫たちのリーダー、マンカストラップで活躍してます。)、マリオン・コティヤールにはちょっとだけほろっとさせられるし、ソフィア・ローレンのオーラはすごい。

女優陣に比べると、ダニエル・デイ=ルイスは弱いですね。芝居の部分はさすがなのですが、歌になると下手というわけではないものの、まあ上手な素人ぐらい。

元は、フェデリコ・フェリーニの映画「8 1/2」を元にしたブロードウェイ・ミュージカルで、トニー賞を受賞しているそうですが、本来の舞台はどんな感じなのでしょうね。

 

Up_in_the_air

マイレージ、マイライフ
原題: Up in the Air
公式サイト

1年のうち300日以上アメリカ中を出張で飛び回り、経営者に代わって契約解除を告げるプロのリストラ宣告人のライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)は、わずらわしい人間関係を背負うことは避け、通算1000万マイルのマイレージを貯めることだけを楽しみにしている...

ほろ苦い、なかなか良い映画でした。

予定調和的な結末にならず、主人公が虚しさと戸惑いを残したまま幕切れになるのがなかなか良いです。まさに原題通り、”Up in the Air”(有頂天という意味もありますが、この場合は、未解決で、宙に浮いて)なわけです。

主人公が教育係をするはめになる新人のナタリー(アナ・ケンドリック)が、いかにも頭でっかちで全面的に自分が正しいのだと言わんばかりなのに、合理性・経済性を主張するわりに自分の人間関係についてはロマンチストだったり、ライアンが深い人間関係を避けるくせに、リストラ宣告では人情味を大事にしたり、単純ではない矛盾した人間というものの描写が良く描けていると思いました。

ただ、インパクトはちょっと弱いかもしれませんね。
オスカーなどの賞レースで、アメリカで公開された最初の頃の評判はとても高かったのに、最後にちょっと失速したのはその辺に原因があるのでしょうかね?

監督のジェイソン・ライトマンは、「サンキュー・スモーキング」と「JUNO/ジュノ」を撮っている方ですね。
なるほど、どこか共通した味わいがあります。

twitter/punkt_ochibo

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