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「かいじゅうたちのいるところ」、「シャネル&ストラヴィンスキー」

Wherethewildthingsare先週見た映画を2本ご紹介します。

 

かいじゅうたちのいるところ
原題: Where the Wild Things Are
公式サイト

原作は子供の絵本ですが、映画はさびしさや悲しさなど心のひだを丁寧にたどった実に切ない物語。本当は大人向けですね。

8歳のマックスは、ティーンエイジャーのお姉ちゃんにまともに相手をしてもらえなかったり、シングルマザーのママが仕事や他に気を取られることがあるせいであまり構ってくれないさびしさから、癇癪を起こして暴れまわり、ママに強く叱られて家を飛び出します。
ボートに乗って海を渡り、嵐をついて上陸した島にはかいじゅうたちが。
かいじゅうたちに食べられてしまわないように、自分のパワーを一生懸命にアピールしたマックスは、自分たちの世界をより良くしてくれる力を持っていると思われて、かいじゅうたちの王様になるのですが...

去年の夏ごろ、映画館でこの映画のポスターを見て心を惹かれました。
同名の絵本があることは知っていましたが、読んだことはありませんでした。

昨今流行りのCGではなくて(顔の表情だけはCGを使っているそうです)、着ぐるみを使ったかいじゅうたちが何ともいえない存在感があります。
マックスと一緒に森の中を駆け回り、泥だらけ、砂だらけになって転げまわったりして汚れた毛皮の質感や、マックスが彼らに抱きついた時のボリューム感はやはり違います。
森や砂漠の風景の中に、あのかいじゅうたちがドーンといる絵面がなんとも素晴らしい。

マックスが癇癪を起こすまでの描写が丁寧で、彼のさびしい、構ってほしい、という気持ちがひしひしと伝わってきて、もうここで涙腺決壊スタートでした。weep

でも、お姉ちゃんもママも、ただマックスに邪険にしているのではなくて、社会生活をしていく上での大人の事情があるのだということもちゃんと見てとれるので、余計に切ない。

そして、楽しい世界かと思えたかいじゅうたちの世界も、かいじゅうたちは人間関係(かいじゅう関係?)に悩んでいて、王様のマックスがそれをなんとかしてくれることを期待しているのです。

かいじゅうたちの世界はマックスの心象風景の鏡のようで、特にキャロルはマックスの分身のような存在なんですね。

 

Coco_and_igor シャネル&ストラヴィンスキー
原題:COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY
公式サイト

去年はココ・シャネルを主人公にした映画が「ココ・アヴァン・シャネル」、「ココ・シャネル」と立て続けにありましたが見ていませんでした。

ところがこの3本目の映画「シャネル&ストラヴィンスキー」は、シャネルにストラヴィンスキーが絡んで、しかもそのストラヴィンスキーをマッツ・ミケルセンが演じるというのですから、やっぱりこれは見ておかなくては...

 

映画はストラヴィンスキーの「春の祭典」が初演される1913年のパリ、シャンゼリゼ劇場から始まります。
「春の祭典」の初演は、大騒動になって大失敗だったという話は知っていましたが、いやはや大変だったんですね。
「春の祭典」は20世紀を代表する名作ですが、初演当時はそのあまりに斬新な音楽を受け入れられない観客が騒ぎ出した様子が、その後の世に伝わっているエピソードを正確に再現する形で映像化されていたのがとても興味深かったです。
気に入らなきゃ黙って席を立てば良さそうなものの、上流階級の紳士であると思われる方たちがあれだけ興奮して騒ぎを起こしたのは、やはり「春の祭典」のひどく興奮させるような、あの音楽が持つ原初的な力のせいなのかもしれませんね。「春の祭典」はかなり好きな曲なんですが、何年か前に「炎のコバケン」こと小林研一郎指揮の日本フィルの演奏会で「春の祭典」を聞いた時の、あのぞくぞく、ドキドキするような感じはやはり格別でした。

7年後、すでに名声と富を手には入れていたものの、最愛の男性を事故で失った悲しみに耐えていたシャネル(アナ・ムグラリス)は、ロシア革命で全てを失って妻と4人の子供たちとパリで難民生活をしていたストラヴィンスキーに自分の別荘の提供を申し入れます。
シャネルは「春の祭典」の初演を聞いていて、ストラヴィンスキーの才能に興味を持っていたというのです。

美しく生き生きと自立している女性シャネルと音楽の才能あふれるストラヴィンスキーは、仕事に対するアプローチの仕方の共通点などから、互いに惹かれあうようになり恋に落ちてしまいます。
でも、2人の関係はすぐにストラヴィンスキーの病身の妻に気付かれてしまうのです...

ずっと以前に、ココ・シャネルの伝記を読んだことがありましたから、彼女がディアギレフのバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)を支援していたことは知っていましたが、ストラヴィンスキーのパトロンだったという話はぜんぜん知りませんでした。

この映画の原作は小説なので、2人の関係が本当のところどうだったのかはよくわかりませんが、アナ・ムグラリスのシャネルは実にオーラのある、エネルギーに溢れた女性で、あんな女性に誘惑されて抵抗できる男性はないだろうと納得できますし、マッツ・ミケルセンのストラヴィンスキーも、決して2枚目というわけではないのに、ストイックな中に官能的な雰囲気が同居する不思議な魅力があって、素敵な男性ならいくらでも知っているはずのシャネルが心を惹かれるというのも分かります。

レイティングがR-18なので、マッツの素晴らしい肉体美も堪能できますよ。
シャネル全面協力で、ラガーフェルドがデザインした衣装も見どころの一つ。

後日、原作本を手に入れて読み始めたらば、ストラヴィンスキーは筋肉質でがっちりしていたけれど背がとても低かったという記述があって、あらま、と思いました。マッツは背が低いとは言えませんものね。

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コメント

こんにちは。いつも楽しく読ませていただいている者です。
「シャネル&ストラヴィンスキー」、この記事を拝見してぜひ観たいと感じ、昨日観てきました。
とても良かったです!主役の二人も、音楽も、衣装やセットも…。最初のタイトルから春の祭典の初演と、すっかり映画の世界に引き込まれました。
素敵な映画のご紹介、ありがとうございました。
これからもヴィゴやショーンの情報、楽しみにしています。

投稿: Lumos | 2010.01.30 17:01

punktさん、こんばんは。

ワタシも「シャネル&ストラヴィンスキー」を見てきましたpaper
マッツ、素晴らしかったですねgood

台詞ではなく演技、特に視線で魅せてくれました、流石(*゚▽゚)ノ
妻役エレーナさんの瞳も綺麗でした☆☆

投稿: ミズタマリ | 2010.01.30 22:35

Lumosさん
いらっしゃいませ。
「シャネル&ストラヴィンスキー」、主演の2人はとても存在感がありましたよね。
オープニングのタイトルバックも独特の目くるめく感じが、当時としては最も斬新だった2人の世界を表しているようでした。
これからも、どうぞよろしく。

ミズタマリさん
マッツはやっぱり人を惹きつけるものがありますよね。
奥さん役は、演技だとはいえつらそうな役です。
見応えがある作品だと思います。

投稿: punkt | 2010.01.30 23:41

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