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映画3題:バレエと映画と3D

今月前半に見た下記の映画の感想を忘れないうちにアップしておきます。

 「パリ・オペラ座のすべて」
 「イングロリアス・バスターズ」
 「カールじいさんの空飛ぶ家」

見た映画3本はジャンルもバラバラなんですが、こちらにまとめて書きます。

Paris_opera「パリ・オペラ座のすべて」
原題: La danse - Le ballet de l'Opéra de Paris
公式サイト

パリ・オペラ座バレエ団のエトワールたちの練習風景から裏方さんたちの仕事場、オペラ座の屋上で飼われているミツバチまで、パリ・オペラ座の日常のすべてを追ったドキュメンタリー映画です。
ナレーションやバレエ音楽以外につけられた音楽もなく、淡々とストイックに画面は進んでいきます。

登場人物が話している言葉は字幕になっていますが、いわゆる説明のための字幕は演目が表示されるぐらいしかありません。

内容的にはとても興味深いのですが、160分の長尺はさすがにちょっときつかった。
ル・シネマの椅子だとシネコンの椅子ほど背もたれが高くないので首が疲れてしまいました。bearing

それでも、何度も練習風景が綴られた後、本番の緊迫した舞台の様子も写されて、こんな風にこれが作られていくのだということが分かるのは面白いです。

いくつもの演目が登場するのですが、中でも「メディアの夢」という作品が、ギリシャ悲劇の「女王メディア」を題材にしたものだったので、Purgatorio への関心もあってとても興味深かったです。本番の迫力はすごかったし。
取り上げられていた演目は、コンテンポラリーの方が多かったようでした。

パ・ド・ドゥのレッスンで、元エトワールだったと思われる男女2人の先輩たちが練習場でいろいろとコメントをするシーンがあるのですが、結構この2人の意見が食い違っているところがあるのが妙におかしかったです。

あの、オペラ座の怪人の舞台になった、地下の貯水池(?)も映っていましたが、ボウフラ対策なのか魚が泳いでましたよ。

 

Inglourious_basterds 「イングロリアス・バスターズ」
原題: Inglorious Basterds
公式サイト

「パリ・オペラ座のすべて」を見た同じ日にこれを見るという、めちゃくちゃなラインナップで見ました。

アメリカで予想以上の大ヒットとなり、面白くなかったら木戸銭返します、なんていうキャンペーンをやっていたぐらいなので、確かに映画としてはハラハラ・ドキドキで面白いんですが、好きかと言われると...coldsweats01

タランティーノ監督の作品は、これまでどうも趣味が合わないような気がして避けていたんですが、う~んやっぱりねぇ。

ナチス占領下のフランスを舞台に、ナチスに家族を殺された娘の復讐劇と、ナチス皆殺しを狙うユダヤ系アメリカ人特殊部隊の話が錯綜する...というお話ですが、映画なんだからなんだってありだよね、と歴史的事実なんか蹴っ飛ばした話の展開は痛快ですらあります。

でも、これがタランティーノ印なんでしょうけれど、頭の皮を剥ぐだの、機関銃で皆殺しだの、バットで撲殺だの、殺伐としたシーンをこれでもかと強調されるのがやっぱりちょっとダメです。
クローネンバーグ監督のHoVやEPのグロいシーンは平気だし、HoVとEPは好きなんですけどね。

主役はブラッド・ピットということになっていますが、私としてはナチスのランダ大佐役のクリストフ・ヴァルツが素晴らしいと思いました。こちらが主役といっても良いぐらい、さらっちゃってます。
物腰柔らかで紳士的。ドイツ語以外にフランス語、英語を流暢に操り、イタリア語だってスラスラと。
観察眼が鋭く、抜け目がなくて頭も良い。
チャーミングなだけに、一番不気味。

言葉に対するこだわりは徹底していて、冒頭、ランダ大佐がフランス語から英語に切り替えたのも、アメリカ人の観客向けにその後、英語にするためかと思ったらそうじゃない。ちゃんと深慮遠謀あってのこと。

アメリカ映画にしてはありえないほど、ドイツ語、フランス語が出てきて、英語字幕で表示されているのが面白い。
こんなに字幕だらけの映画がアメリカで大ヒットしたのは珍しいと思いますが、ナチスをまとめてやっつける話だからなんでしょうね。
アメリカでは観客が拍手喝采していたそうですが、日本の観客たちはシーンとして見てました。

 

Up 「カールじいさんの空飛ぶ家」
原題: Up
公式サイト

あのピクサーの最新作で、オスカーの作品賞にノミネートされてもおかしくない、と評判の「カールじいさんの空飛ぶ家」

3D版だと吹替えしかなくてどうしようか迷ったのですが、長編作品の3Dというのも初体験してみたかったので3D版で見ました。
予告編の途中からすでに3Dなんですね。

短編アニメーション「晴れ ときどき くもり」(ウォーリーの時と同様、セリフがなくて楽しめるアニメ)の後、本編の上映。

以前の3D映画にありがちな、これ見よがしに客席側に何かが突き出されるというようなことはなく、自然な奥行きを感じさせるようになっています。3D用のメガネをかけている分、若干画面が暗いかもしれません。
でも、メガネに気を取られることもなく、映画に集中できました。

主人公は子供の頃はちょっとシャイだった頑固者のおじいさんですが、これがしんみりとした回想シーンから最後にはインディー・ジョーンズなみの大活躍。
ひょんなことから同行することになったラッセル少年のとぼけた雰囲気も良い感じ。

空飛ぶ家にずっと乗っていくのかと思いきや、途中からずっと引っ張って行かなくちゃならないというのも happy01
このカールじいさんのフルネームは、カール・フレドリクセンですけど、北欧系なのかな?

しんみりさせて、ワクワクさせて、またホロッとさせる。
実に良くできたお話です。まさに、子供から大人まで楽しめるいい作品ですね。

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コメント

「イングロリアス・バスターズ」「カールじいさんの空飛ぶ家」
どちらも観に行きたいと思っておりましたので
レビュー、とても楽しく読ませていただきましたeye

「イングロリアス・バスターズ」
>う~んやっぱりねぇ。

あっ・・sweat01やっぱりそうなのですか・・・。
どなたに伺ってもそう言われるので、
予告編を観て期待していた気持ちがちょっとグラついてきましたcoldsweats01
「カールじいさんの空飛ぶ家」は、前半の9分のみを観ただけで
もう泣いておりましたsweat02ので
>実に良くできたお話
と伺えば、全編観てみたいものです!
「パリ・オペラ座のすべて」の
>オペラ座の怪人の舞台になった、地下の貯水池
のお話を読んで
オペラ座の屋根の上で養蜂されている方を思い出してしまいました。
舞台だけじゃなくて色々ある所だと妙な所で感心しておりますhappy01

この度、ブログを引越しいたしました。
いつもViggoだけでなく興味深いお話や情報、有難うribbonございます。
今後共どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: かづちゃん | 2009.12.15 22:40

かづちゃん
「カールじいさんの空飛ぶ家」はどなたにも安心してオススメできます。
「イングロリアス・バスターズ」は最後まで面白いんですが、タランティーノはあんまり私向きではないと思いました。coldsweats01
HoVやEPがぜんぜんダメで、タランティーノは大好きという方もいるので、もうこのあたりは好みの問題だと思います。

>オペラ座の屋根の上で養蜂されている方を思い出してしまいました。
「パリ・オペラ座のすべて」にもミツバチでてきましたよ。
私はオペラ座でハチミツを取っているのを知ってましたからすぐにわかりましたが、まったく何の説明もなく養蜂のシーンが出てくるので、知識のない人にはなんであそこでミツバチが出てくるのか分からなかった方もいると思います。

ブログのお引っ越し大変でしたね。
さっそくRSSの登録も変えておきます。

投稿: punkt | 2009.12.16 00:01

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