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IESB のヴィゴのインタビュー(2)

昨日前半をご紹介した、IESBのヴィゴのインタビュー記事、 Interview: Viggo Mortensen Travels THE ROAD の後半です。

Q: なぜあなたがこの脚本を読むのに少し時間がかかったのでしょうか? このプロジェクトをやることについて何かためらいがあったのですか?

ヴィゴ: それほど長くはかからなかったが、私は旅行中だったので2、3日かかった。私は映画のプロモーションをしていたし、別の映画を撮っていた。かなり忙しかったんだ。でも、これを読んだとき、その日のうちにでかけて、マッカーシーのほかの本は全部読んでいたにもかかわらずまだ読んでいなかったこの本を買ったよ。例によって、これには卓越した風景がある。これにはとても感情に訴える風景の描写が、登場人物の内面の生活があって、これはとても忠実な脚色だ。

私は気乗りがしなくて、おそらく(監督の)ジョン・ヒルコートが言及したのはそれだろう。私は当初、「私はそう思わない。」と言った。自分のエージェントに「私は本当に疲れ果ててしまった。集中できないと思うよ。」と言ったんだ。そして、この物語を調べてこう思った、「疲れ果てたのが役に立つ。」 でも、実際はあまりそうではなかった。そうだったりそうでなかったりした。明らかに疲れていると集中するのは難しく、俳優としてよい仕事をしたいのならばいつでも、特にこのように感情的に本当に正直になる必要がある場合は、とてもリラックスする方法を実際に見つける必要がある。それをコントロールすることはできないし、その支えになる何らかの研究をすることも、あるいは何かを強制することもできない。何を感じるかということに本当に正直である必要がある。

これは、私が俳優として今までやってきた事とは違った挑戦だった。そして、これが私たち二人にとってそれほど難しかったので、最後には、コディと私はただ本当に親友のままでいるだけでなく、とにかくそれをやり遂げたという満足感がある。そして、この映画が上手くいけば素晴らしいが、実際の経験は強烈だった。

Q: コーマック・マッカーシーとの話から何を引き出しましたか?

ヴィゴ: ただ撮影前に電話で1回、長く話しただけなんだ。私たちは比較的長い会話をした。彼はただ彼の子供と私の子供についてと、父親であることについて話をした。私はいつでも彼に尋ねることができるように、山ほどのメモとペンを持っていて、本当に彼の知識を借りるつもりだった。会話の最後に、彼が私に聞いたんだ、「さて、何か本について特別のことがありますか?」 彼は脚本を読んでいなくて、作家としては異例なことに脚本を読みたがってもいなかった。彼はただ「これは異なるメディアです。あなたたちはあなたたちの仕事をする。でも、本について話をしたいのであれば、何か聞きたいことはありますか? 何か質問は?」と言うんだ。

私は眺めた。私は本の5万個のポストイットのメモと、インクが切れるといけないので1本ではなくて2本のペンを持っていた。私は用意ができていた。そしてこう言った、「いえ、ありません、本当に。」 なぜなら、私たちがした会話が私が始めるのに必要なすべてだと気がついたからなんだ。この大人とこの子供については誰もが理解できる、何か普遍的なものがある。それがなぜこの本が、他の何にもまして、オスカーで成功した「血と暴力の国」よりも、こんなに広がりを持った理由だと私は思う。この本がこんなにも心からのもので、あらゆる巧妙な仕掛けを免れているから、それはただ文化や言語を超越するのだ。
これはとても成功した本で、世界中の多くの人々がこの映画を見るのを楽しみにしている。それが私に、これが人を怯えさせる難しい映画であるにもかかわらず、希望を抱かせる。どのように公開するのか、上手に扱う必要がある。でも、これは彼らが愛する本をどうしたのか見たくてたまらない固定客の人たちがいると思っている。

300ページ弱の本に、どうみても5万個のポストイットは貼れないとおもうんですけど...coldsweats01
それでも予備のペンまで用意して電話で話を聞こうとしたというのは、いかにもヴィゴですね。

Q: オスカーのノミネートについての話はみなこの映画をとりあげていますが、あなたにとってそれはどのような意味がありますか?

ヴィゴ: これは簡単なことではない。もしもこれを見て、そしてそこにいたら。説明するとこんな感じだろう:「私はこれを見たいと思うかわからない。」でも一度これを見ると人々がこう言いがちな事に気がつくだろう、「いや、あなたはこれ見るべきだ。」 だから、これはとても口コミ映画なので、新聞で「作品賞、あるいは監督賞、主演男優賞、助演男優賞にノミネート」と読むのにまさる口コミはない。これがこの映画を見てもらえる助けになるであろうことを私は知っている。それはどんな映画の助けにもなるが、特にこのような映画の助けになるのだ。だから、これは素晴らしいことだよ。
それが起こる見込みがありそうかなさそうかということに関する限りは、私にはわからない。デイヴィッド・クローネンバーグは「ヒストリー・オブ・バイオレンス」で監督賞にノミネートされるし、作品賞にもノミネートされると私は確信していたが、どちらもそうはならなかった。だからまったくわからない。そして、「イースタン・プロミス」では結局は私はあらゆる賞にノミネートされた。私はこんな風だった、「それで、どうやってこれは起こるんだ?」 私にはどうやって彼らが選択をするのかわからないが、このような映画にとって、これは本当に助けになるであろうということはわかっている。

多くの人にこの作品をみてもらいたいから、賞にノミネートされたり受賞するのは大歓迎と、かなりポジティヴになってきていますね。やはりそれだけこの映画には思い入れがあるし、自信作なんですね。

Q: あなた自身のサバイバル能力はどうですか?

ヴィゴ: 悪くないよ。よくキャンプに行くから。

Q: この状況のなかで大丈夫でしょうか?

ヴィゴ: わからないな。不可能に見える時に、私にやり続ける勇気があるかどうかわからない。自分がやるだろうと考えたいけれど。実際、彼(この話の中の男)よりも銃は上手くてもっと安心できるけれど。彼は必ずしもそうではない。彼は学び、そしてそのように見えたのは重要だった。もしもこれがただ行動の男だったら、難しいものごとの時に同じではないだろう。彼は絶えず、自分自身と子供に何をするべきか思い出させていた。でも、私はアウトドアとキャンプが好きだよ。

最後の質問への答えは、一部ネタバレを含んでいるので、そこだけちょっと色を薄くしておきますので、マウスでドラッグしてお読みください。

Q: シャーリーズ・セロンと仕事したことについて話していただけますか?

ヴィゴ: 彼女について思うこと、そして私が彼女を賞賛すること、そしてもちろん監督も賞賛することは、この役柄の彼女の演じ方で、ともかくも私(の役柄)は彼女の役柄のことを(本の中でよりもこの映画の中で)より気にかけたんだ。そしてこれは拡張ではない。これは本の中と同じキャラクターなんだ。だがこの本を読むと、そして私は何度も読んだが、「彼女は弱かった。彼女は間違っていた。」と彼女を片付けるのは簡単だ。そして、そう、彼は彼女を思い出している。彼は絶えず彼女を思い出して苦しめられている。彼女のことを思って寝ることができない。そう、もちろん、彼の妻だ。だが、この映画では、彼女の視点 - まっとうなように思えて、おそらく私のより道理にかなっている - を理解するだけではない。彼女が、「どうやって生き延びるつもりなの? なぜ? 私はただ生き延びたくない。」と言うとき、彼は「わからない。」といった風だ。私は最後までに、なぜ - 愛、思いやりとそのような物事すべて - を学ぶが、どうやってかは知らない。

結局、私は、明日はどうなろうとしているのか、どちらが冷静か知ることはできないということを受け入れるようになる。ほとんどの映画は地道にこのようにすることはない。あなたはそれを理解できい。そして、あなたは彼女を理解できるだろうと思う。彼女の視点は妥当だ。私たちは見解の相違を認めあう。そこには敬意がある。そして彼らの間に愛情があるのを見ることができるだろう。あなたはなぜ彼女があんなに痛ましくもその不在を寂しく思われ、なぜこれが彼が担う重荷なのか理解する。これは、ただこの世界が消失したというのではない。ひっきりなしに彼が考えているのは彼女のことで、彼の息子からは遠ざけておこうとする。彼はこう言う、「お前は彼女のことを考えるのをやめなきゃならない。私たち二人ともだ。」子供が言う、「僕たちはどうやってそうするの?」そして彼にはこれに対する答えがない。彼は努力するが、本当には決してできない。これは美しい。彼は彼女の写真を投げ捨てるかもしれないが、完全に彼女の指輪を捨てることができない。

そして、最後に、ある意味では、忘れられないのは構わないのだという事実を受け入れるようになる。
この映画は本当に良くできている。これらは、マッカーシーが素晴らしく、そうするためにページを割いたようなものだが、どうやってこれを映画でやるのか? これが多くの人々が「これはできない。この本から映画として、人を引き付ける、楽しませる、美しい詩的な物語を作ることはできない。それはできない。」と言った理由だ。彼らは間違っていた。

この最後の質問は、インタビュアーは本当はシャーリーズ・セロンのことを聞きたかったんじゃないかと思うんですが、ヴィゴは違った方向にいっちゃってますね。wink

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コメント

punktさん
翻訳ありがとうございます。ヴィゴも、いつもの役作りと勝手が違ったようですね。
5万個のポストイットって…ヴィゴの誇張でしょうけど(笑)電話質問魔も今回はできなかったようですね。しかし、こうやって裏話が出てくると、本当に撮影は大変だったようで。公開まで散々じらされて難産のこの映画、ぜひ成功して欲しいと願っています。でないと日本で観られないです~!
ヴィゴが個人的に賞が欲しいと思っていないのは、皆よく知っています(きっぱり)
欲すると、演技に出ますから。だからこそ、オスカーを受賞してほしいと思うんです。ついでに、サバイバルが得意なのも、皆よく知っていますよね(笑)

投稿: spring | 2009.11.14 00:37

punktさん、お早うございます。興味深いインタビューの翻訳を本当にありがとございます。

>インタビュアーは本当はシャーリーズ・セロンのことを聞きたかった
前に教えて頂いた動画の中で、監督やキャストと一緒に撮影されながら、主演女優をほっぽり出して一番隅っこに立っていたヴィゴを見れば、納得の回答でありましたcoldsweats01

(全く関係はないのですが、NHK教育テレビの人形劇「新・三銃士」は、パリが舞台なのにBGMはフラメンコ調。王宮はサグラダ・ファミリアそのまんま…なんでかな~~と、ヴィゴ・ファンはついニヤニヤしてしまう作りです。11月21日の深夜1時20分から、少しまとめて再放送するようです。関係はないのですが…)

投稿: ジャージ | 2009.11.14 10:01

springさん
ポストイットを5万個なんて、白髪三千丈なみの誇張ですよね。
ヴィゴのサバイバル能力は、車ではねちゃったウサちゃんを火を起こして食べてしまった、というエピソードが十分んに証明していると思います。

ジャージさん
ヴィゴの思いは演じた女優さんじゃなくて、その役の方にいっちゃってるんですよね。
新・三銃士、ちょっと気にはなってるんですが、見てはいませんでした。こんどちょっと見てみようかしら。

投稿: punkt | 2009.11.14 19:25

ほんとうに長くて、そして興味深いインタビューですね。
いつも翻訳ありがとうございます。

ここまでの流れから考えて、最後の質問の答えが「彼女ズはゴージャスなのに気さくで素晴らしい女優だよ!」的なありふれた返答になるとはインタビュアーの方も思ってはいなかったでしょうけど、ここまで深い答えが返ってくると予想していたかどうか。

でも、びごさんの長〜い答えをちゃんと載せてくださって嬉しいです♪

次のインタビューも読ませていただきましたが、この作品には今までとはまた違った思い入れがあるようですね。
びごさんの期待どおり、賞の候補になって、人が口コミで観に行くようになりますように!

投稿: mate_tea | 2009.11.15 23:42

Punktさん、読み応えがありました。
翻訳有難うございます。そしてお疲れ様です。
時々入るPunktさんの的を得たツッコミが妙に好きなんですよねヽ(^m^*)ノムフフ。

数週間後の公開になって来ましたが是非ヒットして欲しいですよね。
近年のbox office興行成績の傾向だと不安ですがアート系を好むような
良質の観客層に期待!。
ワークスでも話題になってましたけど、トム・オニール氏のオスカー予想が
私と一致なんで嬉しくなりました。パフォーマンスは否定派も称賛してますし
(一部の批評家除いて:爆)大ヒットすれば日本公開や最優秀男優賞の後押しに
なりそうですし。予想サイトの論拠はあてにならないです(苦笑)。
2007年サプライズ、トミー・リー・ジョーンズがいい例です。
有権者は俳優も多いので判ってるなぁ・・・と感じた記憶が(笑)。

何かと引合いに出される「2012」、AV51点なんですが
あの某批評家は80点、あの某大御所批評家88点を付けてました(爆)。
http://www.metacritic.com/film/
後者は「アパルーサ」のレネーの演技を称賛してたので
以後彼の批評は信頼しなくなりました・・・(笑)。
彼はビックネームに弱いらしくハリウッドと癒着の噂も(爆)。
一般大衆は大物の批評家だと左右されちゃいます。

ノミされたらヴィゴはご褒美として絶対コディ君を同伴すると思うので
今から楽しみにしてまぁ~す♪。

投稿: mika | 2009.11.16 12:29

mate_teaさん
>でも、びごさんの長〜い答えをちゃんと載せてくださって嬉しいです♪
そうそう、私もそう思いました。
このインタビュー、ヴィゴの答えをはしょってない!
って思いましたもの。

mikaさん
ちょっとした突っ込み、気に入っていただけて嬉しいです。
ヴィゴは突っ込みどころが多いので...bleah
「2012」は映画館で予告編もみましたが、一度ならず何度も、何度も主人公たちが間一髪であの大災害から逃れる画面を見ていると、「そんなご都合主義な...」としらけてしまいます。
単にCGの大スペクタクルを見せたいだけの映画としか思えません。
ぜひまた、ヴィゴとコディのコンビをレッドカーペットで見たいですよね。

投稿: punkt | 2009.11.16 22:36

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