« ヴェネチア映画祭 ”The Road”関連ビデオクリップほか | トップページ | テルライド映画祭 9月6日のレポート »

”The Road” レビュー記事

Variety の悪意があるとしか思えないレビューを読んでへこんでしまわれた方もいらっしゃるようですので、これからとっておきの素晴らしいレビューをご紹介いたします。

viggo-works で紹介されていた、Laurent Péchaによる ECRANLARGE.COM のレビュー記事は、viggo-works の Kaijaminさんと Chrissiejaneさんがわざわざフランス語から英語に訳して紹介してくださっただけあって、美しい文章で大絶賛しています。

評価は星4つ半(満点は5つ)

これを読むと、気分がかなり良くなると思いますよ。
それでは、全文をご紹介いたします。

21世紀で最も重要な小説のうちの1つの脚色であるというそのステイタスから、”The Road”は長く待ち望まれていた。その延期はより不安にさせた。なぜなら、コーマック・マッカーシーの高く評価されたベストセラーは、良く知られていない映画制作者、ジョン・ヒルコート(恥ずべきことに無視された「プロポジション 血の誓約」を含めて20年間に3本の映画)の手に託されていたからだ。ファンの皆さんはリラックスしてよい。ヒルコートはこの仕事に適任だったようだ。この映画界の年度の終わりまでに”The Road”は今年の重大事の1つになるだろう。

ちょうど1時間45分の間、その中で私たちに感嘆で息をのまさせる力強くとても感動的な作品である、ある(小さな)古典の誕生を私たちは目撃した。世界崩壊後のアメリカにおける父と彼の幼い息子の旅の物語の流れは、伝説になるかもしれない傑作である。常に悲嘆を一蹴しつつ、すでに十分に悲惨な状況の特徴を決して誇張しようとすることなく、視覚的に見せびらかすこともなく(とはいえ、荘厳なものが設定され、この物語はそれを許すだろうが)、ヒルコートは小説の進む道を私たちの胸を打つために選んだのだ。冷静に。

題材と設定がすでに彼の観客の心を奪うのに十分強力であることに注意し、この監督はそれを決して誇張しないように努め、明確になる人間ドラマに彼の取り組みを集中させた。常に人間主義のある水準にあることに匹敵するのが、映画のスクリーン上で見られる最も崇高な父と息子の関係の1つを作り出すことを許された、彼の目を見張るような二人の主演俳優たちである。その望みは生き残ることで、お互いの愛情の中だけに休息があるこの絶望的なカップルに一体感を感じるのはむしろたやすいことだ。私たちは彼らと共に苦しみ、この次第に陰鬱さを増す旅の目に見えない道連れとなる。1つの忘れられない提示された出会いから次へ、非常に優れたロバート・デュヴァルとの出会いのように、その混合はこの映画を繊細で感動的な体験にする。

一つ一つのイメージが私たちの網膜上に焼き付けられる。私たちは席の上で縮こまり、より暗さがスクリーンを包めば包むほど、一瞬一瞬の恩恵が差し迫った不可欠なものであることをより感じるようになる。”The Road”は、人生は脆く愛は私たちが持っている最も良い救済だということを私たちに厳格に気づかせる。胸がいっぱいになる! 見事だ!

フランスでは、”La Route” のタイトルで、2009年12月2日から公開される予定のようです。

他には、イギリスの INDEPENDENT のレビューも星4つ(満点は5つ)となかなか良いです。

第1夜:The Road、ベネチア映画祭
荒涼として感動的な世界の週末の物語

   By Geoffrey MacNab

非常に長らく温められてきたコーマック・マッカーシーの小説の脚色である”The Road”は、当初ほとんど1年前に公開される予定だった。この長い遅れはこの映画が苦境に陥っているという多くの推測を引き起こした。マッカーシーの、父と息子が世界崩壊後の風景を放浪するという寓話のように厳しく削り取った小説が、どのように映画のドラマの本質を作ることができるのかを知るのはとても難しい。

結果的には、ジョン・ヒルコートは力と感受性の高い映画を作り、それは際立って良く大スクリーンで機能した。それは暗黒バージョンのハックルベリー・フィンのように演じられている。「ぼろぼろの神たちが襤褸をまとい前かがみになって荒地を渡っていく。」とは、海岸に向かってアメリカの南を横断する、父と息子のぞっとするような放浪の旅のマッカーシーの記述だ。

この映画は、この旅を特徴づけるヒロイズムと外見の無益さの奇妙な混合を良く捕らえている。最も印象的なことは映画制作者たちが持ち込んだ素材の抑制である。この映画の外見は沈黙していて、その男(ヴィゴ・モーテンセン)が世界が音を立てて止まる以前に彼の妻(シャーリーズ・セロン)と楽しんでいた、世界崩壊前の一時のフラッシュバック以外は灰色である。

このあと、音楽も控え目であることや美術について触れられ、ぞっとするような内容もあることが述べられたあと、

彼(ヒルコート)の焦点は、より男と少年の間の関係に合わせられている。父親はだんだん彼の倫理基準を失っていき、「悪いやつら」のようになっていく。彼の息子(コディ・スミット・マクフィー)が、彼にこの旅を耐える理由を与え、また彼を暴力の欲望から引き戻す。

そして最後に締めくくりとして

”The Road”は会話が少なく題材がとても暗いが、それでもなおその鑑賞は夢中にさせるし心を動かされる。

となっています。

さらに、やはりイギリスの TIMES のオンライン版のレビュー記事も、Guardian のレビュー記事も、満点で星5つのところで、星4つがつけられています。

|

« ヴェネチア映画祭 ”The Road”関連ビデオクリップほか | トップページ | テルライド映画祭 9月6日のレポート »

The Road」カテゴリの記事

Viggo Mortensen」カテゴリの記事

コメント

待ってました! こういうレビューを読みたかったんです〜♪ 
いつもご紹介ありがとうございます。

ヴァラエティの記事については、実際に目にしたわけではないので、特に被害は受けてないんですけど(笑)
良い内容の記事を訳していただくのをおとなしくマテしておりました。
やっぱり主流はこちらですよね♪

「息子」を得てご機嫌のびごさんと、醒めたコディくんのコンビは最高ですね。
トロントも楽しみ♪ 良い評がありましたら、またよろしくお願いいたします〜。

投稿: mate_tea | 2009.09.08 23:05

mate_teaさん
ほとんどのレビューは”The Road”をかなり評価しているのでご安心ください。
先ほど、もう1本アップしておきました。

コディ君、かなりしっかりもののようですよね。wink

投稿: punkt | 2009.09.08 23:28

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ヴェネチア映画祭 ”The Road”関連ビデオクリップほか | トップページ | テルライド映画祭 9月6日のレポート »