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Perceval Press 9月13日のヴィゴのメッセージ

9月13日付で、Perceval Press のトップページにヴィゴの署名入りのメッセージが掲載されています。

関連したニュースも含めて、すぐに気がついてはいたのですが、膨大な他の情報を処理するのに追われて内容をよく読みこむ時間もなく、ブックマークしたままになっていました。
ようやくこちらにも手が回せるようになりましたので、きちんとご紹介したいと思います。

 

ヴィゴのメッセージを紹介する前に、まずは背景説明から

トロント国際映画祭では、今年から新しいカテゴリー City to City というプログラムが設けられました。
これはある1都市を選び、その都市に関連したドキュメンタリーやフィクションの映画を紹介するというものです。

第1回目にあたる今回は、イスラエルのテルアビブが選ばれました。
ところがこれが、ちょっとした騒動を引き起こすことになります。

多数の知識人、映画業界人たちが、これはイスラエルのプロパガンダを宣伝する道具にトロント映画祭が使われているのだと抗議の公開書簡、The Toronto Declaration: No Celebration of Occupation (トロント宣言:占領に祝賀はない)を出し、これにヴィゴも名前を連ねています。

さらにこの公開書簡に反対する人々もあらわれました、その辺のところを TheStar.com の9月11日付の記事から紹介しておきましょう。

舌戦が注目を集める

ヴィゴ・モーテンセンとジュリー・クリスティがトロント国際映画祭にやってきた。彼らはまた、最近話題の名前の中にある。それらの名前は俳優/歌手/活動家のハリー・ベラフォンテと作家/知識人のノーム・チョムスキーを含んでいて、彼らは映画祭開会の City to City プログラムでテルアビブを紹介するという映画祭側の決定に反対している宣言書に署名している。

一方、映画制作者のイバン・ライトマン、ロバート・ラントス、デイヴィッド・クローネンバーグと女優ミニー・ドライバーは反対派たちをとりわけ「政治的な検閲」だと非難して、この映画祭とテルアビブ・プログラムを支援する陣営に署名した。

映画祭は第2日目に入ったが、国際的な舌戦と倫理上の優位性の戦いは弱まる兆しが見えない。

というわけで、この件に関してはヴィゴとクローネンバーグ監督は反対の立場をとっています。

トロント宣言を出した方は、最初から映画祭そのもののボイコットを呼び掛けるものではない、と明言していますが、この抗議活動をイスラエルそのものをつぶそうとしているとヒステリックに非難する人まであらわれているようです。

トロント宣言を出した側のナオミ・クライン(彼女自身もユダヤ人)のコメントは、

クラインは、抗議者たちの主たる論点は、8ヶ月前のイスラエルによるガザへの侵略の直後にテルアビブに「特別の地位」を与える映画祭側の判断だと言った。

「これを彼らの映画に帰していては、それは(イスラエルの)映画制作者たちにとってあまりに不公正です。彼らの映画は問題ではない、その枠組みが、スポットライト、祝典が問題なのです。」

トロント宣言を読むと、この City to City で取り上げている10本の映画の中にパレスチナ人制作のものが1本もなく、パレスチナ人の視点の作品がまったくないことを問題にしているようです。
テルアビブは約60年前に、パレスチナ人たちの町だった隣接するヤッファを併合しているのだそうですから。

さらに、このあたりのいきさつについては、flagburner's blog の The other side of TIFF 2009 が概要を日本語でも読むことができるのでよろしいかと思います。

 

さて、ようやくヴィゴのメッセージをご紹介できます。
例によって、ヴィゴの文章はわかりにくいのですが、頑張って全文を訳しました。

記録として

トロント国際映画祭における今日の仕事、この映画祭で上映されているジョン・ヒルコートの”The Road”のためのインタビューを受けた後、私はイスラエル/ドイツ作品でイスラエル生まれのパレスチナ人 Scandar Copti とイスラエルのユダヤ人 Yaron Shani による共同監督の”Ajami”の9月12日午後9:30の上映を見に Scotiabank映画館に行った。ヤッファ近郊のこの映画のタイトルになっているところで起きる、アラブ人、ユダヤ人とイスラム教徒が共有している地域の感動的で示唆に富むポートレイトになっているこの映画を私は発見した。この燃えるように公正で、胸が張り裂けるような異文化間の争いの描写の特質に最も近い、私が最近映画で見たものは、デンマーク作品、Omar Shargawi監督の”Gå Med Fred Jamil”(2008)で、それはコペンハーゲンのスンニ派とシーア派の確執に関するものだ。私は”Ajami”を見たことをうれしく思い、強くこれをお薦めする。

上映後に観客に許された最後の質問で、劇場の前近くに座っていた一人の紳士が監督の Yaron Shaniに対しておこなった質問は、この映画(その紳士は、この映画の複雑さと注目に値する長所を褒めていた)は、イスラエル政府が国際法を嘲笑し続けている時に、この映画祭がテルアビブ(1950年にヤッファと1つの地方自治体に併合された)を特別評価するものに指名したことに抗議した声明を発表した人たちによって基本的にボイコットされていて、一方的にならず者国家とする行為はジョージ・W・ブッシュの下のアメリカ政府とまったく同じやり方だ、という認識に関するものだった。監督は、その時点ではこれは長すぎて複雑な議論を引き起こすからと回答を提示することを断った。彼はおそらく、 観客にこの映画の長所に集中させておくための、あのQ&Aの終わりの時間を知っていたのだろう。あの紳士の質問に対して強い感情を持ったにもかかわらず、私は観客の1人として敬意を持って同じ事をすることを選ぶ。

私は、ノーム・チョムスキー、ハワード・ジン、ナオミ・クラインや、さまざまな国の深く考えている市民たち(複数のイスラエル人たちを含む)のような人々と共に問題の声明に署名した。その中の何人かは、まさに現実の検閲とブラックリストに苦しんでいる。この声明は、イスラエルあるいはその他のどこのものでも、どんな芸術家や映画のボイコットや検閲も働きかけていない。その罪でこの声明の非難を受けた人々は簡単に間違った情報を広め、残念なことに目の前にあるその問題:イスラエル政府の彼らの合法な国境の内や外における非合法で非人道的な活動のもみ消し、から気をそらせることに成功し続けている。映画館の外で”Ajami”を見に行く人に対して抗議している人はだれもいなかった。実際のところ、Scotiabankシネコンで上映されるこの映画や他の映画を見に行く人か、トロントのリッチモンド通りをただ歩いていく人以外に何かしている人はだれもいなかった。

- ヴィゴ・モーテンセン、2009年9月13日

追記:この問題への興味のために、そして間違った情報が上記の声明を取り巻いているので、私は以下を提供する:

Jewish Voice for Peace  www.jvp.org (平和のためのユダヤ人の声)

FACT SHEET(ファクトシート)
このファクトシートは、ジェーン・フォンダ、ダニー・グローバー、ナオミ・クライン、イヴ・エンスラーを含む1000人の人々が、多くのイスラエル人とパレスチナ人と共に署名したトロント国際映画祭(TIFF)抗議書簡、「トロント宣言:占領に祝賀はない」(1) に対して起こっている偽情報の運動に対応したものである。今年TIFFは、イスラエル領事館の”Brand Israel”プログラムの目標の線に沿って、この映画祭でお祝いのスポットライトをテルアビブに当てると決定した。その言葉自身の中に、”Brand Israel”プログラムは、一般の人々の注意を人権の歴史からそらす目的でイスラエルの文化を宣伝しようと狙っている。この抗議書簡はこの映画祭を政治問題化することに反対し、イスラエルのほとんど42年間のパレスチナ領土の占領、最近のガザに対する襲撃と継続している包囲攻撃、そして、現在も進行中のテルアビブ-ヤッファそのもののパレスチナ人たちに対する追いたての歴史は、不適切な事実だと言っている。

このファクトシートは3つの主要な間違った非難に反論する:
1) あの抗議書簡は不当にイスラエルを名指ししている。
2) あの書簡はこの映画祭とイスラエル映画のボイコットを呼びかけている。
3) あの書簡は形はどうあれテルアビブを非合法化している。
これらの非難は、私たちが以下に説明するとおりすべて間違っている...

ちなみに、ヴィゴご推薦の映画 ”Ajami”のTIFF公式サイトのページはこちらです。
この映画は、City to City のカテゴリーではなくて、Contemporary World Cinema というカテゴリーに入っています。

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