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マリア・カラスとニクソン

Callas_assoluta先週、見てきた映画について、忘れないうちに...

「マリア・カラスの真実」
原題: Callas Assoluta
公式サイト

ディーバ(女神)とまで言われた不世出の歌姫、マリア・カラス。
彼女の生涯をたどった、フランスのドキュメンタリー映画です。

カラスの歌声もふんだんに盛り込まれていますが、美声というよりドラマチックな声なんですね。

幼い時から続く母との確執。完璧主義で自分が納得できるまでリハーサルを繰り返して共演者に煙たがられたり、人気沸騰で声のコンディションを維持するのが難しいような公演スケジュールのせいもあって、キャンセルしては我儘だといわれ、長年の愛人生活から正式な結婚を望んでいたオナシスには裏切られ、パリのホテルに引きこもり生活をしたあげく、50代の若さで一人でひっそりと死んでいたという...
オペラ歌手としては成功しましたが、一人の女性としてみたらなんと不幸な人でしょう。

演技力に優れていたということで、コンサートでカルメンの前奏曲をオーケストラが演奏する間、オーケストラの前にたたずむカラスの表情をずっと追った映像がありましたが、その表情の演技はまさにカルメンに成りきっていました。

カラスが若い頃は100kgを超える体重で丸々と太っていた、というのは話には聞いていましたが、今回はそのまん丸な写真が何枚もあって、ほんとうにぽちゃぽちゃだったんですね。
美しくなるためにダイエットを決心して、わずか18か月で40kg近く減量したというのですから!

もっとカラスの歌声をちゃんと聞きたくなった映画でした。

 

Frost_nixon 「フロスト×ニクソン」
原題: Frost/Nixson
公式サイト

子どの時に、当時のアメリカ大統領ニクソンがウォーターゲイト事件で辞任に追い込まれた、というのは薄っすら記憶に残っています。
でも、もちろん、それから3年後に、この映画の題材になった、フロストによるニクソンのインタビューがあって、それがニクソンに罪を認めさせることになって世界中でものすごく話題になった、なんていうことはまったく知りませんでした。

「クィーン」ではブレア首相に扮していたマイケル・シーンと、この映画でアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされた、フランク・ランジェラの一騎打ち。
あちこちでボクシングの試合に例えられていましたが、まさにそのとおりで、それぞれセコンドに相当するブレーンたちも含めて、言葉の応酬の闘いが繰り広げられます。

非常に興味深いのが、ニクソンを追い詰めようとするフロストは、人気者のTVショーの司会者で、人当たりはとても良いのですがなんとも軽い感じ。しかも、このインタビューの準備のためのスポンサー探しや金策に走り回らなければならなくなっていて、彼自身も追い詰められているのです。

一方ニクソンも、フロストなどよりはるかに大物なのですが、大きなコンプレックスを抱えている。

先日の「ダウト」どうよう、もともとは舞台劇(しかも主演はこの映画と同じ二人)だそうですが、表情のアップをとらえることができる映画の方が、TVインタビューの感じにはより近いのだろうと思います。

映画は虚実とりまぜてあるそうですが、いかにもそんなことがありそうな話なので、本当にあったことだと信じてしまいそうです。でも、あくまでもドキュメンタリーではなくて映画なんですよね。
ブレーン役で脇を固める人たちも、ケビン・ベーコンはじめ手練ぞろいでばっちりです。

派手さはありませんが、静かで緻密なスリルを味わえる映画です。

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