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「ホルテンさん...」と「ダウト」

Ohortenヴィゴのロンドンのニュースが出てくる前に。

先週、ル・シネマで2本立てにして見た映画movie の感想を...

 

「ホルテンさんのはじめての冒険」
原題: O'HORTEN
公式サイト

ノルウェー鉄道ベルゲン急行の運転士をひたすら真面目に40年間勤めたオッド・ホルテンさん。明日が定年退職という日の晩に起きたちょっとした手違いから、いままで判で押したようだった日常が、ちょっとずつ変わっていきます。
邦題の「冒険」はちょっと大げさですが、なんとも不思議な味わいの、でも心が和むノルウェー映画です。

雪原を疾走する鉄道の姿や、凍った冬の夜の街角の風景など、いかにも寒そうなんですが、どこかとぼけた味わいのあるホルテンさんの真面目そうな顔を眺めていると、ちょっぴり心は温かになります。

以前に見たアルゼンチン映画「ボンボン」とか、イスラエル映画の「迷子の警察音楽隊」が、ちょっと雰囲気が似ているかもしれません。

 

Doubt 「ダウト ~あるカトリック学校で~」
原題: DOUBT
公式サイト

こちらは打って変わって、息詰まるセリフ劇。
主要キャスト4人全員が今年のアカデミー賞の主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞にノミネートされたというのも凄いですが、見てなるほどと思いました。

1964年のニューヨークのカトリック学校を舞台に、恐ろしく厳格な校長シスター・アロイシス(メリル・ストリープ)が、進歩的で生徒に人気があるフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)にある疑惑を抱き、次第に敵意を剥き出しにしていきます。

元々、この映画の監督・脚本のジョン・パトリック・シャンリィの舞台劇だったそうですが、まさに舞台劇を思わせる言葉による激しい対決のシーンが見もの。

フリン神父とシスター・アロイシスの対決シーンの緊迫感も凄いですが、フリン神父が不適切な関係をしたのではないかと疑われる黒人生徒の母親(ヴィオラ・デイヴィス)とシスター・アロイシスの対決もシーンも、社会的な弱者の反撃とも言えるヴィオラ・デイヴィスの迫力に圧倒されます。

フィリップ・シーモア・ホフマンが、親しみやすく開明的な素晴らしい神父のようにも見えるし、また本当は怪しい人物のようにも見えるし、見ているこっちも疑念にとらわれ始めることに...

人を疑うということが心を毒していくさまを描いて、偏見がある上に疑惑に取り付かれるということの恐ろしさに気づかされる映画です。

原作の舞台劇は、9.11の後のアメリカ社会の状況を元に作られたとのことですが、いわれのない疑惑にアメリカ社会が取り付かれたことが世界全体に及ぼした悪影響は、恐ろしいものがあります。

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コメント

「ダウト」は見ました♪
4人の演技、火花が散って部屋の電球flairまで切れてましたねcoldsweats01
メリル・ストリープの校長先生、怖かったです~。
神父たちとシスター達それぞれの食事シーンが対照的で笑えました。
ヴィオラ・デイヴィスは出演時間は短かったけれど、メリル・ストリープに
一歩もひけをとらない演技で、オスカー候補になったのも納得でした。

「ホルテンさん・・・」はまだ見てませんが「ボンボン」や「迷子の・・・」みたいな
感じなんですね。 ほのぼのしそうheart02
時間があったら見に行きたいです。

投稿: Aralis | 2009.03.29 23:49

Aralisさん
メリル・ストリープは「鬼気迫る」という感じでしたよね。あんな人にこいつは悪いヤツだと思い込まれたら逃れる術はないような...
食事のシーンは確かに可笑しくも象徴的でしたね。

「ボンボン」や「迷子の...」がお好きな方には、「ホルテンさん...」お薦めです。
何も事件と呼べるようなことは起きないんですが、ほのかに可笑しくてなんだか爽やかなんです。

投稿: punkt | 2009.03.30 00:22

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