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TOTAL FILM 2009年3月号の記事より

Total_film2009marイギリスの映画雑誌 TOTAL FILM の2009年3月号(Issue 152)にヴィゴのインタビュー記事が掲載されているそうです。

viggo-works のこちらに、Chrissiejaneさんが6ページにわたるスキャン画像を上げてくださっています。

”Good” と ”The Road” の話から、LOTR、The Hobit に政治の話、スペインの舞台までとすごくいろいろな話を取り上げています。

それほど目新しい内容はないのですが、かいつまんでいくつかご紹介したいと思います。

 

まず冒頭の部分がちょっと洒落ていたのでその部分から...

ヴィゴ・モーテンセンは話すことを望んでいた。彼はゆ~っくり、静かに話す - あまり静かなので Total Film の耳の穴は時々、テープを聞き返すのに全力を傾けた。だが、彼は確かにちゃんとしたおしゃべりをする気になっていた。- 彼は2回、自分のパブリシストを追い払って、私たちに割当てられていた時間をたっぷり20分間延長した。彼は長いインタビューを、本当に物事をじっくり考える機会を好むと宣伝担当者の男性は私たちに教えてくれた。そしてこれは文字通り炉辺談話で、この50歳の俳優は、ロンドンのシャルロッテ・ストリート・ホテルの私たちの居心地の良い片隅を暖めている炎の中を、しばしば黙想にふけりながら見つめていた。彼が深刻な気分になっていたとしても問題ない。私たちはここで2つの深刻な映画について話をした。

この後、The Road と Good の紹介やヴィゴの経歴の紹介が続きます。
そして、いよいよ The Road についての質問からインタビューがスタートします。

本のザ・ロードは非常に恐ろしいものでした。この映画もまったく同じように残酷なのですか?

そうあるはずのことと同じように難しく感じるよ。私は肉体的な要求のある役をこれまで演じてきたけれど、これほど一貫したレベルで感情的な代価がいるものはなかった。でも私たちが提示するこの荒れ果てた地で、間違いなく心が高揚する瞬間があった。男と少年の間の関係には、特に物語が父親が息子に教えるのから息子が父親に教えるのに変わると、ユーモアがあった。

 

映画ファンの中には、もう1つの「ノーカントリー」を期待している人たちもいると思いますが...

もしそうならがっかりするだろう。この物語は少しコーマック・マッカーシーらしくなく、その中の会話はより少なく、その調子はいささかザラザラしている。これが粗野な美しさであなたを打ちのめすのに対して、「ノーカントリー」は多少、仕掛けのあるスリラーというところだね。

 

取り組むのが困難な撮影でしたか? 風景はかなり不毛の地で...

これはロード・オブ・ザ・リングとはまったく違う映画だが、これらの映画にスタッフたちがものすごく打ち込んでいたやり方が時々私に思い出させたよ。これは撮影時間はより短いが、それにもかかわらず精力を使い果たす。でも人々はこの物語にとても惹きこまれていたので、疲れや自分たちの体調についての懸念をそっちのけにしていた。

 

あなたの若い共演者、コディ・スミット・マクフィーとの仕事はいかがでしたか? あなたは彼に個人指導をしたのでしょうか?

彼には私の余計な意見は必要なかったよ。彼は経験を積んだ大人の俳優のようにとても素晴らしい才能があった。時々彼は、「これを自分がやる前に、もう一度リハーサルをしたい。」と言ったものだ。彼はとてもしっかりしていて、この少年には賢明さがあるので、それはこの役には完璧だった。彼の父親も俳優でそこにいて、時には彼のリハーサルを助けていたが、父親がいなかった時 - そしてそれは彼のとても難しいシーンのうちのいくつかの間だったが - それでも彼は感嘆させていた。どんなことでも彼がやったことは上手くいっていた。私は本当に彼と一緒に仕事をするのが気に入っていたよ。

 

あなたの別の新作映画”Good”は、そのプレスノートであなたにとって「ペースを変える役」と認めていますね...

私はこれは完全にペースを変えるものだと思っている。ホロコースト映画は実際1つのジャンルになったが、いつも良いものというわけではない。あの時代についての何百もの映画を見た後の観客たちの期待を”Good”は覆すということに、観客たちと話をしていて気が付いた。大作であれ小品であれ、アメリカのものであれヨーロッパのものであれ、最後にはそれらにはいつも、ある種の勝利や崇高な悲劇がある - 収容所からの人々の脱出とか、弾丸の雨の中に倒れるとか。私たちの映画はそういうことはしない。英雄的な行為はないし、見る人を解放させることもない。映画が終わってあなたは「これからどうするの?」となる。どちらにしても力強い解決を得ることはない。このジャンルの映画からいつもは得られるそれはないんだ。私はそこが素晴らしいと思う。

 

あなたは原作の芝居を80年代に見て以来、この物語のファンだったそうですね...

私がとても興味を持ったのがこの登場人物の進化なんだ。最初、彼は少々受身の家庭的な男性だった - 彼は知的で思いやりがあって、ナチのイデオロギーやヒットラーは馬鹿げていると思っている、何でも考えられるような自由な考えの人物なんだ。観客が彼を自分と同一視しそうなようにね。だが、彼が党に関与し始めて、最終的には(SSの)制服を着る...この時点で人々は心理的に離れたいと思う。彼らは「こんなことはここでは起きないだろう。」と言いたい、だが起きる。- イギリス、アメリカで、オーストラリア、ポーランド、スペインで起きたことを見ると...事実、問題の多い戦闘を闘っている自国の兵士を私たちは持っている。”Good”が述べているのは、結局は、これらのことが起きるのを許したのは、彼らがしたこと、彼らが投票したことによる、市民なのだということだ。彼らは責任を負っている。だが私たちはそのことをこのように考えることは好きではないのだ。

 

この映画ではナチズムをとても控えめな、日常的な類のものとして描写していますね...

悪にはありふれていることだと私は思うね。強制収容所を見てさえ - それは本当にとてもよく再現されているのだが、それでもある種の日常的なものがある。これらの収容所は善良な人々によって建設されていて、それがとても恐ろしいことなんだ。私たちは、誰かの頭の中で作りあげた邪悪なナチの警備員のような悪役を、明白に簡単に特定する方法はない。そこにいるのはただ命令に従い、彼らの仕事をして目を見えなくした人々なのだ - 私の役のように、何が起きようとしているのか気づくまで。そして「おいおい、いったい、今、彼はなにをしようとしているんだ?」こういった類のことがちょっと人々の平静さを失わせるんだ。

この後は、LOTRが仕事の選択の自由や幅を広げたこと、クローネンバーグ監督との仕事や役作りについて、オスカーのノミネートについてなどの話が続きます。

賞のノミネートについては、オスカーにノミネートされたのは幸運だったけれど、何よりもアラトリステでゴヤ賞にノミネートされたことと、2007年にEPで British Independent Film Awards を受賞したことを特に誇らしく思う、と話しています。

LOTRについて

三部作の中で最も気に入っているのは?

芸術として自分にとっての一番は、拡張版の最初の1本(FOTR)だ。大きな改変がいくつかあるとはいえ、私にとっては最もトールキンに忠実な作品で - 演技や物語を語る点で、あらゆる種類の繊細さが最もある作品だ。

この後の受け答えで、後の2作がどんどん特殊効果中心になっていったことに対しては、ヴィゴはだいぶ批判的なことが見て取れます。

The Hobit とその続編については、これまでの他のインタビューと同様、もしもアラゴルンが出てくるのであれば自分がやりたいというようなことを答えています。

あなたの次の予定は何ですか?

私は舞台をやろうと思っている - この20年では初めてでね。スペイン語でやろうとしていて、大きな挑戦なんだ。時々、なぜ自分はそんな苦労をしようとするのかと確信がもてなくなるが、怖いと思うのは自分にとって良いことなんだろう! 編集者のお慈悲なしで何かをするという考えを気に入っている。もしも何かが悪くなったら自分の責任なんだ - そしていかなるプロモーションツアーにでかける必要もない。

 

何についてなんですか?

これは心理劇なんだ - 1人の男と1人の女の間の二人でおこなって、お互いを攻撃する...私はこれを台無しにしたくない。英語のバージョンがあるので、大失敗にならなければこちらに持ってくるかもしれないね。

ヴィゴったら、ロンドンあたりで英語版もやる気十分みたいですね。
この後、政治についての話になって、「自分は基本的には楽観的な人間だが、アメリカ政府については幻想は抱いていない。たとえオバマ大統領になっても、アメリカ帝国主義の変化はわずかだろう。」というようなことを話しています。

イギリスでは ”Good” の公開は4月17日だそうです。

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コメント

 興味深いインタビューですね。 ありがとうございます。でも風邪に突入してなんとなくちゃんと読めていない気がします。(ちゃんと治ってからまた読みます)

 「オスカーノミネートにはショックを受けましたか?」とか、ノミネートされた時の気持ちをストレートに聞いた質問は、案外今まで無かった・少なかったようなきがしますね。

投稿: mizea | 2009.02.05 20:31

mizeaさん
ヴィゴもパブリシストを追い払ってまで延長したぐらいですから、話もはずんだようですね。
確かに、ノミネートされた時そのものを聞いているのは少ないですよね。
お風邪、早く治りますように。

投稿: punkt | 2009.02.05 23:35

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