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TIMES ONLINE のインタビュー記事

Timesonline20090217Red Riding の放映が近づいてきたので、イギリスの新聞 The Times のオンライン版、TIMES ONLINE に2月17日付けでショーン・ビーンのインタビュー記事が掲載されています。(リンク先だともう少し大きな写真があります。)

いつものごとく、なかなか突っ込みどころが多いインタビュー記事ですので、一部を少し割愛してご紹介します。

インタビュアーは Amy Raphael とありますから女性ですね。

 

ショーン・ビーンの Red Riding の残忍な役

彼は犯罪ドラマ Red Riding で悪党を演じようとしている。だが、ショーン・ビーンは彼の役のように、そしてタブロイドが示唆するようにダークなのだろうか?

ショーン・ビーンはロンドン中心部のあるホテルの図書室を模した部屋で携帯電話で熱心に話していた。彼は良い体型だが、とりわけ特別に見えるわけではなかった。後が擦り切れたあまり高価でなさそうにみえるジーンズ、チェルシーブーツ、ダークブルーのスウェットシャツ、度の強い老眼鏡が硬いゴムのストラップで胸にかかっている。電話が済むと、彼は力強い握手をして花柄のソファーの縁に、足を大きく広げて座った。彼はビルダーズ・ティーを注文して、それを磁器のカップから飲んだ。

ビルダーズ・ティーとはマグカップで入れる濃いブレックファーストティーのことで、普通、ミルクとお砂糖をたっぷり入れるのだそうです。おそらく、ビルダーズ・ティーを注文したら上品な磁器の紅茶カップで出てきたということなのでしょう。

この毅然とした北部出身の俳優から予想される最もありそうもないことは恥ずかしがりだということだが、少なくとも5分間、彼はほとんど目を合わせなかった。彼はぼそぼそ話す。彼は簡単な質問を繰り返してくれるように求める。彼の”人々”は彼の個人的なことを言わないように警告し、それはおそらく、昨年、彼が4番目の妻に暴力を振るったというタブロイドの疑惑について議論するなということを意味しているのだろう。今までのところ、彼は長年の経験があって、長年続くテレビシリーズ、シャープでもっとも良く知られていて、ケン・ラッセルの「チャタレイ夫人の恋人」の裸のお尻のメラーズとして最も悪名高く、最も最近では「ロード・オブ・ザ・リング」のボロミアとして知られている。だから彼が自分自身を守れないと感じるかもしれないとは奇妙なことに思われる。

彼の最新の役は、Channel 4 の優れた3部のドラマ、Red Riding の破壊的なマキャヴェリ流の実業家、ジョン・ドーソンである。このドラマはその原作のデイヴィッド・ピースの小説と同じように心をかき乱し、人の心を掴んで離さない。The Red Riding 4部作では、ピースは彼の子供時代のヨークシャーを極めて詳細に再構築し、ヨークシャー・リッパーに取り付かれ、腐敗した警察が管理している残忍なものにした。

ビーンは私に、彼自身のシェフィールドにおけるヨークシャーの子供時代について語った。彼は学ぶことに特に興味はなく、簡単に退屈して時々学校を抜け出していた。彼は「いたずらと好奇心でいっぱい」で、女の子たちよりも自分自身の方に興味があった。彼は10歳のときに、ケン・ローチの「ケス」を見て恋に落ち、15歳の時にチョウゲンボウを購入した。「そのための正式なライセンスを取って、それを訓練して自由に飛ばしていた。『ケス』のビリー・キャスパーのように、私はいつもその鳥と一緒にいたかったんだ。私はあの映画の中にいるふりを、よくしたものだった...」

ショーンが「ケス」が大好きで絶賛しているのは以前から有名ですが、10歳の時に見て夢中になったとは知りませんでした。あの暗い、かなり救いがない映画を10歳の少年が好きになるとは...coldsweats01 ...イギリス人、あなどれません。

ささやかな家族の家の彼のベッドルームには、エアフィックス社の模型飛行機が天井から紐でぶら下がり、デヴィッド・ボウイ、ルー・リードとイギー・ポップのポスターが壁を覆っていた。ボウイについて尋ねると、ほとんどすぐさま彼のガードは下がった。ソファーに深く座り、はすかいに私を見て微笑んだ。彼は郷愁を楽しんでいるように見えた。「私は彼のシン・ホワイト・デューク(痩せた青白き公爵)時代にアールズ・コートでボウイを見たんだ。あれは素晴らしかった。ショーはルイス・ブニュエルの超現実主義映画『アンダルシアの犬』と『黄金時代』からのクリップで始まった。それにはかみそりの刃が目をかき切る映像があって、雲が月を通り過ぎて、ステージが暗くなった。そしてボウイが登場した。あれはまさしく興奮したね。」

彼は飾り立てたのだろうか? 彼は磁器のカップの中に顔を隠して、またぼそぼそ言い始めた。「えーと、そう。」つまり彼の答えはイエス? 彼は肩をすくめた。「えぇっと、私はボウイと似たような服を着た。実のところ、私はクローンだったよ。私は髪を赤く染め、ジャンプスーツを着て星で飾り立てた大きなスタックヒールを履いていた。」そのようにして、この労働者階級のシェフィールド・ユナイテッドファンは、17歳にして飾り立ててここにいた。それは地元に行ったらどうだったのだろう? 「シェフィールドの人たちは私をなよなよした男だと思った。変人だと。なおさらそうする勢いがついたね。しばらくの間、頭を蹴飛ばされる危険を冒していたけれど、グラムロックがより主流になってきて、髪を染めメイクをすることや、飾り立てることはより受け入れられるようになったんだ。」

スタックヒールというのは、おそらく高いヒールの靴のことだと思います。
ほぼ同じ頃、ヴィゴはデヴィッド・ボウイの「アラジン・セイン」のジャケット写真 をまねたメイクをして鉄条網に頭から突っ込んで、上唇に縫い目が残ったわけですね。

彼を際立たせていたのは音楽の好みだけではなかった。若いビーンは超現実主義の芸術(彼はダリ、ミロ、マン・レイとデ・キリコをリストアップした)も好んだ。ちょっと変わっていたにもかかわらず、彼は16歳で学校を離れて、金属加工で働くため、長靴を履き、つなぎを着て彼の元軍人の父の鋳造工場に加わった。彼の父は成功した実業家だった。家族はより大きな家に引っ越すことはなかったが、彼はロールスロイスを運転して仕事にでかけたもので、そして偉大な社会主義者だった。「私の祖父も左翼だったよ。いつも同意するというわけではなかったが、政治についておやじと長い議論をしたものだった。私も古風な言葉の意味での社会主義者なんだと思う。私は確かに、トニー・ベンのように自分の信じることについて弁解せず、その誠実さを決して疑われたことがない政治家を立派だと思っている。」

シュールレアリスムの絵が好きだとか、最先端をいってグラムロックの格好を真似たりとか、けっこうとんがってたんですね。wink

この後、RADAに行ったことや、何度もの結婚の話、ロイヤル・シェークスピアに入って発音を学んだものの、自分のアイデンティティーにこだわった話、ハリウッドの映画に出てロサンゼルスにも住んだけれど、ロンドンの自分の家の方が良い、といった話が続きますがそこは省略。

最後はいよいよ Red Riding に関する部分です。

とは言っても、ビーンが必死に彼の北部のルーツを手放さないでいるロンドンの家に閉じこもった失業中の俳優だと言うのではない。彼の経歴には干満があるかもしれないが、用済みというのには程遠い。

Red Riding のためにビーンはピースの4部作を読まなかったが、トニー・グリソニーの脚色は難しいと感じている。「この脚本は暗くて邪悪だった。私はこれまでに、このようなものはまったく読んだことがなかった。初めから過酷なんだ。」彼は顔をしかめた。「私がこれまでにかかわった中で、最も身の毛がよだつ話の1つだね。でもとてもやりがいがある。スクリーンの方にお金がいったので私たちはたくさんの報酬はもらっていないけれど、だれも気にしていないよ。」

予算がとても厳しいので俳優たちはだれもトレイラーを持っていなかった。代わりに彼らはシーンの合間に車のあたりに座っておしゃべりをしていた。「とても社交的なセットだったよ。普通、私は大きなシーンのある前の晩は人付き合いを避けるのだが、Red Riding ではみんな北部の俳優だったので、酒盛りから離れているのは難しかった。Peter Mullan、Warren Clarke に私 - 私たちはみんな飲むのが好きなんだ。それに、翌日に難しいシーンがあるのなら、それが和らげてくれるので、時々少し飲むのは良かった。」

3人の娘の父として、ビーンは当然、若い女の子たちが誘拐されて殺される、中心となるストーリー展開には心をかき乱されたが、再び悪役を演じることは気にしなかった。「私は自分がリチャード・カーティス(訳注:「ラブ・アクチュアリー」、「ブリジット・ジョーンズの日記」、ミスター・ビーン・シリーズなどの監督)の映画にとても向いているとは思わない。私はいつもちょっと奇妙で異様な役柄に惹かれるんだ。」そしてたいてい、暴力。どのぐらい彼自身そう仕向けられたのか?「その多くは想像だね。私たちはみんな、人々が狭い範囲で変わり、悪口で厳しく批判し始める可能性があることを見てきた。私自身も私生活においてはそうするかもしれない...」

彼は早口になるのだろうか?「ああ、その可能性はあると思うよ。役に必要ならもちろんそれをできるよ。私は短気だと見なされていると思う。」それでは、事実関係を明確に:「そうだね、私は自分自身をとても鷹揚だと思っているけれど、時には怒りっぽくなることもある。私が感情を示すその方法は、より劇的に見えさせる。それでは、タブロイドの記事が書いている彼の暴力的な爆発は真実なのだろうか?「彼らは私のことを北部出身のステレオタイプとして見るんだ。もしも私が反応すると、あたかもそれは私に応答しなければならない何かがあるかのように見える。ほとんどの場合、それはたわ言だよ。それはしょっちゅう誤解を招くあるイメージを助長するんだ。」

彼はため息をついた。「ここに座って今あなたと話をしていて、私が突然立ち去ろうとして、立腹して物を壊し始めるという印象を、あなたが持たないといいのだけれど。」

彼がこの図書室もどきを打ち壊すことは私にはまったく想像できなかった。彼はかなりリラックスしたようだ。広報担当者がドアの周りから彼女の頭を突き出して、あと質問は1つの時間になったという身振りをした。彼は4月に50歳になる。彼は虚栄心が強いのだろうか?「そうじゃない俳優を私は知らないね。私は本当に自分の誕生日を大きな出来事だとは思っていないんだ。それについては大丈夫だよ。大きな差があるのかね? それは外見をじっくり検討して頭の中でどうなっているのかということだ。それで、私は大丈夫に見えるだろう? 私は今でも自然のままでブロンドで、白髪の兆候はないよ...」そして彼は、まるで虫も殺さないような、よく修練をつんだ魅力的なにこやかな笑顔を示した。

Red Riding は Channel 4 で3月5日スタート。

ショーン、白髪はまだないんですね。でも老眼鏡はeyeglass ばっちり。happy01

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コメント

長いインタビューなのに訳して頂いてありがとうございます。「用済みの役者」のくだりが気に懸かるのですが、イギリス内ではそういう見方をしているメディアもいるのでしょうか?お仕事をじっくり選んでくれているだけならいいのですが。

投稿: runa | 2009.02.18 06:12

runaさん
しばらく映画に出てませんからね。
Far North はいちおうUKでも公開されたようですが、かなり限定公開でしょう。
お仕事をじっくり選んで、ぜひまたいい作品に出て欲しいです。bearing

投稿: punkt | 2009.02.18 23:18

ショーンの近況がつぶさに判る良いインタビューですね。
翻訳して下さってありがとうございます!
前回の逮捕劇のタブロイド記事が相当ダメージだったらしい事とか
世間から自分がどういうイメージで見られているのかを
再認識したらしい事とか
心理状態が伝わって来ます。シェフUではなくボウイという
新たな切り口でショーンのガードを下げるインタビュアーさん
ナイスですね。

投稿: 空知 | 2009.02.19 07:09

空知さん
まあ、DVなんていうイメージは絶対に良いわけがありませんからね。
ショーンはごく普通に幸福な少年時代を過ごしているようなので、少年時代の話というのは本人も楽しいのでしょう。

投稿: punkt | 2009.02.19 23:05

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