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「宮廷画家ゴヤは見た」

Goyas_ghost「宮廷画家ゴヤは見た」
 原題: Goya's Ghosts
 公式サイト

画家フランシスコ・デ・ゴヤの絵というと、日本では「着衣のマハ」と「裸のマハ」が最も有名でしょう。

でも私がずっと以前にプラド美術館で見て最も衝撃的だったのは、ゴヤが晩年をすごした家の壁に描いたものだという、「黒い絵」のシリーズでした。
そのあまりに暗く、陰惨な、でも目を逸らすことのできない絵の迫力はすさまじく、こんな絵を描いた部屋で生活していたなんて...と驚いたものです。
ナポレオン軍に銃殺される市民を描いた「マドリード、1808年5月3日」も強く心に残っていました。

その後、当時の世相を風刺した銅版画連作「ロス・カプリーチョス」(気まぐれ)や、ナポレオン戦争の悲惨さをテーマにした銅版画連作「戦争の惨禍」を見る機会があって、マハよりもこれらの作品のイメージの方が強く残っていました。

そして、見に行ったのがこの「宮廷画家ゴヤは見た」です。
暗く重厚な作品ですが、歴史をフィクションにうまく取り込み、またゴヤの絵のイメージを上手に用いた上質の映画でした。

ハビエル・バルデム扮するロレンソ神父と、ナタリー・ポートマン扮するイネスは架空の人物ですが、事件の目撃者、お話の語り手になるのが画家のゴヤ(ステラン・ステルスガルド)。

アラトリステの時代から180年も経っているのに、異端審問が人々を苦しめ、さらにナポレオン軍が侵攻してきて占領されるという、苦痛に満ちた時代を、したたかに生き延びようとするロレンソ神父と、彼のせいで運命の歯車が狂ってしまう哀れなイネスの姿を通して描いています。

スペインとアメリカの合作とのことで、完全にスペインが舞台であるにもかかわらず、全員英語を話しているのが少々違和感がありますが、ストーリーも緊張感があってぐいぐいと引き込まれました。

ハビエル・バルデムの濃い迫力には圧倒されましたけどね。(笑)
ステランは、先日のマンマ・ミーア試写会に続けてですが、そう思ってみなければ判らないぐらいぜんぜん違った役です、

オープニングから、おそらく「ロス・カプリーチョス」からと思われる銅版画が何枚もタイトルバックに映りはじめて映画はスタート。
映画の随所にゴヤの絵のイメージが直接、間接に使われていて、特に戦争の惨禍はそのままのシーンがありましたし、後で調べたら「ロス・カプリーチョス」の中の1枚もそのままのシーンがありましたね。
そして最後のエンディングタイトルのバックには例の「黒い絵」のシリーズが。

「宮廷画家ゴヤは見た」なんて、「家政婦は見た」のようなタイトルですが、原題の Goya's Ghosts を見て、2007年の1月に「アラトリステ」をゴヤ賞を競った映画だということに気が付きました。

そういえば、ウナクス君もナタリー・ポートマンのお兄さんの一人でちょこっとだけ出てましたよ。

歴史物がお好きな方にはお薦めの映画です。

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