« EMPIRE Magazine 2008年3月号 | トップページ | ヴィゴの授賞式関連出席予定 »

Empire 2008年3月号 のヴィゴのインタビュー記事

下でスキャン画像をご紹介した、Empire誌(2008年3月号)の、ヴィゴのインタビュー記事の内容をご紹介します。
とても長いインタビューですが、内容が濃い記事ですので、かいつまんで訳してご紹介したいと思います。

このインタビューは、1月はじめにボストンでおこなわれた、”The People Speak” の収録のためにヴィゴがボストンに滞在していた時に、ボストンのホテルのレストランでおこなわれたもののようです。

記事の最初の部分は、ヴィゴの紹介部分なので省略します。

まずは、インタビューをおこなったとおぼしき、EMPIRE誌の Dorian Lynskey氏の感想から。

「ヴィゴは話すことが好きだ。彼は考えをはっきり話すし、熱心だけど自分自身については控え目だ。彼に生気 を与えるあらゆること - 政治、歴史、旅 - についてね。彼自身の経歴についての話題が最も興味がないんじゃないかと思う。明らかに他にたくさん彼が気にかけていることがあるのに、映画の話に彼を引 き戻すことに、ほとんど罪の意識を感じたね。」

インタビューの最初の部分は、クローネンバーグ監督について。例によって、いかに監督が信頼できるかについて、熱心に語っています。

以前に、フランスの雑誌で監督が語っていた、ヒストリー・オブ・バイオレンスのオファーを監督からされた時のエピソードもでてきます。

毎日、彼に電話をして話すことを始めて、ストーリーについて彼に質問した。ある時点で、1週間かそこらたった時に、彼が言ったんだ。「ところでヴィゴ、君に尋ねなきゃならないことがあるんだが。私たちはこの映画を一緒にやるのかね、やらないのかね?」それでこう言ったんだ。「もちろん!」 可笑しかったよ。彼は、私が彼をテストしていると思ったんだ。

ヴィゴによれば、クローネンバーグ監督のように、俳優とどう話し合ったらいいのかをちゃんとわかっている監督はまれなのだそうです。

子供の頃から、いろいろな国で過ごしてきたことが、新しい環境に恐れなく入っていけるということに役立っているのかと聞かれたヴィゴは、そうかもしれないと答えたものの、

世界についての好奇心は、たとえ英語しか話さず、アメリカを離れたことがなかったとしても、私の性分なんじゃないかと思う。そういう人がいるよね。

と付け加えています。

俳優になる前にやったいろいろな仕事の中で、どの仕事がもっとも楽しかったかと聞かれると

私は外にいるのが好きだから、製粉所のために、デンマークの田舎中を運転して遠くの村のパン屋に小麦粉の袋を配達するのとか、別の仕事でコペンハーゲンの道端でバラを売るのが特に楽しかったね。

こんなハンサムさんが売っていたら、バラもよく売れたんじゃないでしょうか。

EMPIRE: アメリカ人だと感じますか?

VM: おそらく何よりも。ちょうど世界の中の一人と感じるようにね。私はアメリカの市民権を持っていて、だからここで投票できるし投票する。デンマークの市民権も持っていて、デンマークについて意見を持っている。ここで何が起こっているかだけでなく、あらゆるところで何が起こっているかについての情報を得られる状態でいようとしている。私はこの世で何が起きているかに好奇心があるんだ。確かに、1人のアメリカ国民として、興味をもたず自分自身に情報を与えず投票をしなかったら、あちこちで大統領は最低だと言っている私は偽善者になってしまう。

アメリカ人とかデンマーク人というより、やはりヴィゴはコスモポリタンという感じがしますよね。

EMPIRE: タイプキャストといったようなことに対して、あなたは常に闘ってこなければならなかった?

VM: 最初、20代前半の頃に始めたときは、私は年よりも若く見えたんだ。悪役や心理的に複雑な役はオファーされなかった。ただの素敵な男の子だ。ところが、初めて悪いやつを演じたら、人々はそれを見たがった。例えばインディアン・ランナー。急に、来る脚本がみんな怒りを演じ、タトゥーを入れているサイコパスになったんだ。 「おお、これは使える。たぶん彼はこれをできるだろう。」というわけだ。でも、これは誰もが考えたことだ。そして、ロード・オブ・ザ・リングをやると、「おお、それなら、あなたはこの英雄的で叙事詩的な映画の役をやりたいでしょう。」

EMPIRE: 現在、人々はあなたをどのように理解していると思いますか?

VM: まったくわからないね。問題じゃないよ。ヒストリー・オブ・バイオレンスをやったとき、「あなたをアラゴルンとしてしか見ることができない人々のことを心配しないのか?」と言われた。それで私は言った「いいや、私は自分自身をそんな風には見ていないし、たとえ心配したとしても、それについて自分はどうすることもできない。人々は見たいものか、見ると話したものを見に行く。」
私はそれを方向付けることができるようにしようともしないし、それを方向付けることに関心もない。俳優として、あるいは人間として、なぜある特定のイメージを自分自身に投影したいと思うのかは理解できるが、どれだけお金をかけようと、どれだけ多くの広報担当者を持とうと、それを管理できるとは思わない。結局のところ人々は、ある種腹の底ではこれが現実ではなくて演技だと知るだろうから、自分にできる最高のことは、ただ自分の仕事のことを気にかけ、時間どおりに顔を出し、準備をし、そして運が良かったら良い仕事の1つになって、たぶん人々がそれを見に行って、別の仕事をするチャンスを得るだろう。

キャスティングする方は、出資者を募るのにも判りやすくて良いので、手っ取り早く、同じような役で話題になった俳優を使おうとするのでしょうけどね...

ピーター・ジャクソンが、”The Hobit” の制作をプロデューサーとしておこなうということについて聞かれたヴィゴは、PJ自身が監督をするほうが良いのに、と言っています。

ヴィゴが役作りのための調査をものすごくするという話について

EMPIRE: 撮影が始まる前に、それぞれの役柄のバックストーリーについて、一生懸命に考えるとあなたはよく言っていますね。何年もの間、小さな役でもそうしてきたのですか?

VM: ああ、そうだよ。

EMPIRE: このような調査はオーディション段階でもやるのですか?

VM: ああ。問題は進行中の過程だということなんだ。つまり、Eastern Promises の(撮影の)間、私は最後までそれに取り組むことをやめなかった。繰り返しやることでさえ、できる限り完全にするための微調整になったからね。でも、オーディションでは、たいてい彼らが見たいのは完成された洗練された演技であって、誰かがまだ作業中のものではない。彼らは「これは興味深いが、彼が何をやっているのかはっきりわからないな。」といった感じだ。

最初の何年間か、2ダースほど主役のオーディションを受けたそうですが、ことごとく落ちたそうです。

EMPIRE: プラトーンのウィレム・デフォーの役は、当初あなただったというのは本当ですか?

VM: ああ、そうだよ。その頃、オリバー・ストーンはそれほど大物ではなかったし、もっと小さな予算だったんだ。彼は私のオーディションのビデオテープを使って資金を集めるために歩き回った。そして、誰か知られている者を使うという要求とともに、もっと資金を集めることができたのだが、私はまったく無名だったんだ。ビジネスという面では、私は完全になぜそうならなかったかは理解している。1年かそこら、私は役を得たという幻想のもと努力しただけだった。そして1年間、ベトナムについてのあらゆる新聞、あらゆる本、あらゆるエッセイを読み、あらゆる映画、あらゆるドキュメンタリーを見たんだ。たくさんのことを学んだから、それを残念だとは思わないが、その役を演じる準備がすっかりできていたからね。私は取り組むあらゆることについて厳密に準備していたのに、それは起こらなかったんだ。悔しかったよ。オリバー・ストーンに「何が起こったんですか?」と電話までした。

EMPIRE: 拒絶に直面してからほとんど20年後に人気になるなんて、奇妙ですよね...

VM: まさに、いつもの拒否に対して自分自身をオープンにすることが俳優であることなんだ。それは難しいことだ。だから、なぜ人々がそんなに、ほとんど(皮膚に出来る)たこのように硬くなってしまうのか理解できる。個人の提示をテフロン・コーティングし、そして最後には、その演技にもテフロン・コーティングをしてしまう。なぜなら、それはある意味、ある職業の心理的な有害さだからね。私はそれを理解しているが、この仕事にとってそれ(硬くなってしまうこと)は良いことだとは思わない。ちょうど人生でそうするように、傷つくことに対して自分をオープンなままにしておかなければならない。たとえそれが微妙なやり方だとしても、人として成長したいと思うのなら、人生の中で進んで苦しみに耐えなければならない。人間関係の中で、進んでそこに座ってそれを取らなければならないし、あるいは、誰かがあなたが聞きたくないことをあなたに言うことで動揺することも必要だ。それに対して自分自身を閉じてしまうことはできるが、そうしたら成長は止まってしまう。そういことを多くの演技や監督で見るだろう。

どこだったかで、最近、オリバー・ストーン監督に会ったら「はじめまして」と言われて、ヴィゴはものすごくショックだった、という話を読んだ気がするのですが、ほとんど主役に決まりかけていたのに降ろされていたのでは、監督がまったく覚えていないというのはショックでしょう。

そういう、つらい思いをいろいろと乗り越えなければならない経験を積んでも、しなやかな精神を持ち続けているヴィゴは、本当の意味でタフなんですね。

この後、才能ある監督が、同じようなことを繰り返して代わり映えしなくなってしまった例として、ヴィゴにしては珍しく、スコセッシとコッポラと、具体的な名前を挙げています。

そしてここでも、本当に才能があるクローネンバーグ監督が、HoVに続いて監督組合賞でもノミネートされなかったことについて、かなりヴィゴは怒っているようですね。もっと二流の監督がノミネートされているのに、と。その功績は、いずれ歴史が証明するとまで言っています。

クローネンバーグ監督と、3本目の映画を撮るのかと聞かれて、たぶん、と答えたヴィゴは、いかに監督と気が合うかを縷々述べています。

EMPIRE: 実現化したいと思う、念願のプロジェクトは何かありますか?

VM: たった一つ、でもまだはるか彼方だけど、特に監督したいストーリーがあるんだ。不運をもたらしたくないので、これについて具体的には話したくない。

ヴィゴが監督したい映画とは、いったいどんな内容なのでしょうか? ちょっと不安ではありますが...(笑)

最後に、これからの撮影する ”The Road” を話題にしていますが、ここで、いつものように、本当は眠ったり、家族との時間や、他のことをする時間を作るために、ちょっと立ち止まらないといけないんだけど...と言っています。

私は「ノー」と言わなければならないのだが、「いえ、しばらく何も考えられません。」と言うまさにその時、今までにオファーされた中で最高のものがオファーされるんだ。

The Road は楽しみですが、働きすぎて倒れないでくださいね、ヴィゴ。

|

« EMPIRE Magazine 2008年3月号 | トップページ | ヴィゴの授賞式関連出席予定 »

Viggo Mortensen」カテゴリの記事

コメント

punktさん、いつも翻訳ありがとうございます。

ヴィゴの哲学がよ~くわかるインタビューですね。
オリバー ストーン監督の事は、ヒダルゴの頃に言っていたような。
それにしても、悪役イメージの強かったヴィゴをアラゴルンに
抜擢したPJ監督は、偉い!

強行スケジュール+大減量で、本当に体壊さないでほしいですね。

投稿: spring | 2008.02.03 10:32

springさん
今までの作品のイメージにとらわれずにキャスティングできる人こそが、キャスティングの才能がある人と言えるんでしょうね。
本人が気づいていない、新しい可能性や魅力を引き出せてこそ、名匠ですよね。

投稿: punkt | 2008.02.03 16:31

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« EMPIRE Magazine 2008年3月号 | トップページ | ヴィゴの授賞式関連出席予定 »