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トロント映画祭レポート(第8日目)

トロント映画祭のプログラムとして映画を見るのは今日が最後。

今日は、”Silk”、”Margot at the Wedding”、”Max & Co.”の3本を見ました。

 

 

トロント8日目(9月13日・木曜日)

上映50分前ぐらいに、今日、最初の会場の Ryerson Hallへ。
今日も、すでにチケットホルダーの行列は角を曲がってずっと先の方まで伸びています。
私のすぐ後ろに並んだインド系と思われる中年女性が、行列の長さに驚いています。
ちょっとお話したところ、彼女はこんな長い行列は初めてとのこと。私が、昨日もこの会場に来たけれど、やはりこんな感じでしたよ、というとびっくりしていました。

どんな映画を見たか、お互いにタイトルを列挙したところ、まったく違った映画を見ていたことが判明。私がガラや、スペシャル・プレゼンテーションのカテゴリーのものを中心に見ていたのに対して、彼女はどうやらアジアや非英語圏の作品を中心に見ていたようです。おそらくそういった作品は、会場も小さく、入場者も少ないので、長い行列に驚いたのでしょう。

途中でゲットした日刊のフリーペーパー Metroをぱらぱら読んでいたら、安倍首相のとても景気の悪そうな顔写真が目に留まりました。え? 辞任って書いてある?
私が安倍首相辞任のニュースを知った第一報でした。

 

Silk (シルク)日本公式サイトIMDbTIFF公式サイト

どうも日本が舞台になっている外国映画を見ると、お尻がむず痒くなる場合が多いので、あまり見ないようにしているのですが、海外で見たらどんな感じなのかという興味もあって、この作品を選んでみました。

結婚したばかりの若く美しい妻(キーラ・ナイトレイ)を置いて、伝染病でほとんど全滅しかかった蚕にかわる、良質の蚕の卵を求めて、フランスから鎖国を解いたばかりの日本にやってきたエルヴェ(マイケル・ピット)は、信州の山奥で土地の有力者(役所広司)と接触することに成功、無事に蚕の卵を故国に持って帰ることができました。
ただ、日本で出会った土地の有力者の囲い者らしい、美しい女性のことを忘れることができません。彼女とは一言も口を利いたわけではないのに。
再び危険を冒して日本に向かうエルヴェ....

やっぱり、少々お尻がむず痒くなりました。

そんなお茶のお作法はないだろう、とか、鎖国を解いたばかりの日本の山奥の住人なのに、なんで役所さんだけが英語が流暢なんだとか、山賊の親分みたいな格好は変だ、とか突っ込みどころは山ほどあります。

でも、面白かったのは、日本語のセリフに対しては、いっさい英語字幕がなかったこと。おそらく、見る人に、主人公と同じ、まったく言葉がわからない環境に放り込まれた感じを体験させるためなのでしょう。

もともと日本人たちはセリフが少なく、無言で身振りだけで済ましている部分も多いので、字幕がなくても雰囲気はつかめそうです。

他の日本人俳優たちが、完全に日本語だけで通しているので、余計に、突然、役所さんが流暢な英語で話しかけ始めるとすごく違和感があります。

原作はベストセラーになった小説だそうですが、やはり日本ついてのイメージは、マダム・バタフライの頃からあまり変わっていないのかなぁ。

キーラがほとんどしどころがなくて気の毒でした。
映像と音楽(坂本龍一)は美しいです。

日本でも、東京国際映画祭のクロージング作品として上映される予定。

 

Visa_screening上映終了後、徒歩で Visa Screening Room(Elgin & Winter Garden Theaters)に移動。

こちらも、チケットホルダーの行列は歩道上をずぅっと伸びています。
いろいろなお店の前をふさぐ形になってしまうので、お店の入口のところを空けるように、ボランティアの会場整理係が指示していました。

本来劇場である、Visa Screening Room の内装は、写真でもわかるとおり重厚できらびやか。映画上映だからだとは思うのですが、ここでポップコーンを売っているのがすごくミスマッチな感じです。

 

Margot at the WeddingIMDbTIFF公式サイトオフィシャルサイト

成功した物書きであるマーゴット(二コール・キッドマン)は、息子のクラウド(私は女の子かと思った)を連れて、長いこと仲たがいしている妹のポーリーン(ジェニファー・ジェイソン・リー)とマルコム(ジャック・ブラック)の結婚式のために、実家に帰ってきた。
いろいろと指図しようとするマーゴットによって、家族の関係はますます混乱していくことに...

なんだか私には、肌が合わない映画でした。
なにしろ主人公にぜんぜん共感できない。
映像的にも、埃っぽく色褪せたような色彩は、ざりざりして苛立たしい人間関係を象徴しているのかもしれませんが、ぜんぜん美しくない。

同じように、家族や友人間の人間関係の危うさを描いている作品でも、昨日見た、ガエル君のDéficit の方が、映像も瑞々しく、お坊ちゃんが主人公とはいえ、そのナイーヴさには共感できる部分があってずっと良かったと思います。

この会場(Elgin & Winter Garden Theaters)が面白いのは退場するとき。
映画が終了すると、入場時には閉まっていた、客席の両側の壁に4箇所ぐらいずつあるドアが一斉に開けられるのですが、このドアを抜けると、いきなり外に出てしまう構造になっています。非常の際には安全そうですね。

 

木曜日発行の週刊フリーペーパー、NOW と EYE Weekly をゲット。近くのフードコートで遅いお昼を済ませてから、内容をチェック。明日から限定公開がはじまる Eastern Promises の大きな広告や Reviewがあるのを確認して、欲しいページだけを大事に仕舞います。

時間はたっぷりあるので、ゆっくりと今日最後の会場 Varsity に移動します。
この会場は、マニュライフ・センターの2階にあるシネコンで、TIFF開催中は全館TIFFのために使用されています。
スクリーン数の半分強がプレス向けの試写に使用されていて、残りのスクリーンで映画祭の一般客向けの上映をおこなっています。

マニュライフ・センターの1階には、映画祭のメインのチケットボックスがあるので、映画祭の拠点のような場所ですね。

プレス向けの受付のところはごった返していましたが、一般向けのチケットホルダーの列は、拍子抜けするぐらい空いていました。
今までは、出演俳優がメジャーな人気作品ばかり見ていたので、1時間前にはかなり行列しているのがあたりまえだったのですが、どうやらこの Varsity は小品や英語圏以外の作品が多いらしく、行列スペースはずいぶん小さかったです。

本日最後の、そして私にとって映画祭最後の作品は、ファミリー向けに分類さている、人形アニメーション作品。フランス語上映、英語字幕つきです。

最後は、重苦しくなくて気楽なものをということで、まず日本には来そうにない小品を選んでみました。

気楽な映画だしシネコンだから、映画のお供の王道、ポップコーンでもと思ってSサイズを買ったのですが、やはりとっても量が多くて途中で飽きてしまって食べ切れませんでした。(残りはその日のお夜食)

 

Max & Co. IMDbTIFF公式サイト

主人公マックス少年は、マックスが生まれた後にいなくなってしまった、吟遊詩人の父ジョニーをさがして、ヒレアの町の近くまでやってきました。ヒレアの町は、世界的に有名なハエ叩きの製造販売会社 Bzzz & Co. の企業城下町。

その頃、Bzzz & Co. の後継者のロドルフォは、近頃会社の業績が思わしくないことを投資家たちに攻め立てられます。 Bzzz & Co. のハエ叩きが普及したおかげで、近頃はめっきりハエが少なくなってしまったからなんです。困ったロドルフォは、マッドサイエンティストと組んで、ハエを大量培養して町に放す計画をたてはじめます。

一方、マックスは、父親が Bzzz & Co. の労働者だという、元気な少女フェリチェと知り合いになります。そして、ヒレアの町で、Bzzz & Co. で、恐ろしいことが置きようとしていることに気づき、阻止するために立ち上がることになります。

 

お話はとてもわかりやすい、いわば勧善懲悪のストーリーです。
カラフルだけれど柔らかい色使いが目に優しいのがいいですね。
キャラクターデザインは、みな、何か動物を連想させる容姿で、基本的には日本のアニメとは違った感じなのですが、ネコっぽい容姿のセクシーな女性シンガーのデザインだけは、なんだか以前に日本のアニメでみたことがあるような....

この映画は、子供連れのお客さんもちらほら。
こんなファミリー向けの映画を見た後も、多少の罪悪感を感じながらも、最後のピープルズ・チョイス・アワードの投票用紙に、Eastern Promises のタイトルを書いて投票してきました。 

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