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XLSemanal ヴィゴとレベルテの対談(その3)

XLSemnal の記事の、ヴィゴとレベルテの対談の続きです。
今回も、viggo-wroks の paddyさんの英訳を参考にさせていただきました。

前回の(その2)では、せっかく女優たちの話題になったのに、たいして言及せずに終わってしまったところまででした。
今回はその続きで、対談部分の最後になります。
なお、レベルテの発言の最後の方に、ネタバレがあります。
ネタバレなんですが、この対談の落ちになってるので、そのまま載せていますのでご注意ください。

XL:それでは話題を変えて。出発点に行きましょう。最初からこの映画はスペイン語で撮影することがはっきりしていましたが、なぜですか?

APR:それは私の条件だったんだ。そうでなければ、撮影はなかっただろう。ケベードはスペイン語を話さなくちゃならない。ケベードが英語を話したらばかげているだろう。この時点で、我々はスペインの業界と公的機関から多くの支援を受けはしなかったと言わざるを得ないだろう。まったく反対に、疑いの目を向けた。彼らは、このように金のかかる映画はほとんどやめたほうがよいと考えたんだ。

VM:もしも、この脚本が英語でオファーされていたら、まず、これをやりたいのならスペイン語で撮るべきだと私は言っただろうね。

APR:これはとても複雑なプロジェクトなんだ。このプロジェクトを攻撃しようとする、スペインの産業のある部門の、多くの意地悪があったんだ。

XL:アルトゥーロ、あなたの言ってることは、最後にはだれかを怒らせることになりますよ。

APR:だから私はそれを言っているんだ。そして、私はヴィゴとともにこの目の前で言いたいんだ。このプロジェクトは、結局、アントニオ・カルデナル、Telecinco とパオロ・バシレがこだわってくれたおかげで上手くいったんだ。だが、公的機関の支援はまったくない。支援はほとんどなく、ねたみがたくさんだ。誰もこの映画には賭けなかった。ヴィゴを入れて、とても金がかかる...だが、バシレ、カルデナルとタノはそこにこだわった。そしてもちろんヴィゴも。ヴィゴなしでは、この映画は決してできなかっただろう。ヴィゴはどんな映画でもやれたんだ、特に「ロード・オブ・ザ・リング」の後ではね。彼はこのプロジェクトに惚れ込んだ。彼がこれにこだわってくれて、彼のおかげでこれができたんだ。

VM:これには何か新しいものがあった。そして役を引き受けるのは難しかった。ニュージーランドで「ロード・オブ・ザ・リング」の時に起きたのと似たところがある。人々はこれができると確信する必要があった。ジョージ・ルーカスとその連中は、ピーター・ジャクソンが最後には、この映画を仕上げるのを助けてくれと要請してくると言っていたんだ。そしてそんなことは起こらなかった。この教えに学ばなくちゃね。

APR:これが成し遂げられたのは、2千万ユーロがカメラの前で使われたからだ。誰も何も元のままにはできない。それが、この種の映画がほとんどスペインで作られていない理由だ。2千万が5ペンスになるのがいつものことだからね。

VM:きっとこれからは、この種の映画を作りはじめるだろうね。

APR:これからは、我々はやるよ! たぶん、物事は変わるだろう。これが証明したのは、タノのもののように良い脚本があって、素晴らしい俳優たちがいて、根気と粘り強さがあれば、こういった映画は完璧にできるということだ。それができないのは、誰も望んでいないからだ。

XL:撮影で、あなたが感動した時のことを話して欲しいのですが。

VM:そうだね、私にとっては最後の夜の撮影かな。それはとても美しかった。何か親しいものがあった。私たちは、闘牛場の楽団でタノを驚かせたんだ。私たちはみんな彼から隠れていて、彼を驚かせたんだ。旗を全部かかげた。私たちは彼を肩の上に担ぎ上げたんだ。楽しかったよ。最後には私たちは情愛の深い家族のようになっていた。

APR:この映画はスペインがどんなであったかを語っているんだ。甘やかすことなく、良いことも悪いこともね。これは「第3連隊、スペイン、帝国」といったことについて語っている話だと考える馬鹿がいるかもしれない。だがそれはまったく間違っている。これは私たち自身についての、不穏な、汚い、とても厳しい映画なのだ。その意味では、彼らが撮影していたあるシーンはとても私を驚かせた。ロクロアの戦いで、カルタヘナの昔の第3連隊のスペイン人たちに、フランス軍が名誉ある降伏を提案したときだ。ヴィゴが彼の同僚たちの前に出て、甘受して言う「我々は申し出を感謝する。だがこれはスペインの第3連隊だ。」ちょうどそこで私は気がついたんだ、このとんでもない野郎(ヴィゴの方を見て)はスペイン人だ。この瞬間、ヴィゴ・モーテンセンはスペイン人だった。

VM:(笑)

APR:これは真実か否か?

VM:本当だといいと思うよ。(笑)

XL:それで、スペイン人であることの意味は?

VM:いかに負けるかを知っていることだ。

APR:(微笑んで)彼が本当にスペイン人であることを証明したぞ。聡明なスペイン人だけがこう言うことができるんだ。

ヴィゴはスペイン人を演じているのではなくて、スペイン人そのものだ、とは大絶賛ですね。
それにしても、レベルテの発言から察するに、この映画の制作にあたってはずいぶんいろいろあったようですね。レベルテの歯に衣着せぬ発言に司会者が冷や冷やしているようですが、逆にこれが彼の人気の秘密でもあるのでしょう。

対談はこれで終わりですが、同じ号に試写を見たレベルテの感想のコラムが載っていますので、こちらも後ほど紹介したいと思います。

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コメント

punktさん、長文の和訳、ありがとうございます♪
読みごたえのある対談でした。

レベルテ氏は記者だっただけあって、納得できない圧力に関しては黙ってはいられない、という性格のようで。
なんだかケベード氏の印象とかぶるような・・・(笑)

前作では監督と深く幸せな関係を得られたびごさん、今回は監督さんだけでなく、原作者さんからも絶賛されるという、ますます幸せな体験ができてますね。
これってとても珍しいことなんじゃないでしょうか。

最近、原作者の方が「あの映画は自分の作品とは全く別物です!」という公式見解を出されたのを読んで、たいへん悲しい気持ちになったばかりなので、こうした話を読めるのはとても嬉しいです。

レベルテ氏の試写の感想の方も楽しみにしております。
よろしくお願いいたします♪

投稿: mate_tea | 2006.08.23 23:17

 翻訳ありがとうございます。 
 初めに英訳のほう読んで、英語苦手なものでそれなりに一所懸命よんでみて「アワワワワ」でした。が、すべて回避して「いつになるかわからない日本公開」を待てませんもの。  日本語でクリアにわかってありがたいです。

 非常に困難なプロジェクトだったのですね。 ヴィゴさんそういうの好きそう。ファンははらはらですが。
 トロントではガラではないためか、カナダ発のトロントロ映画祭ニュースでも少し扱いが小さい気がして心配です。 アメリカ公開の際には、ヒスパニックなみなさんに応援してもらえたら・・?????

投稿: mizea | 2006.08.24 08:14

punktさん、素敵な対談の翻訳、ありがとうございました。
英語でなんとなく雰囲気はつかめるのですが、こうして訳してくださって初めて気がつくことのほうが多くて、いつもとても感謝いたしております。(まめに反応できなくて申し訳ございません)

アラトリステを生み出したご本人にこれだけ絶賛されるのも映画の出来もさることながら、きっとヴィゴの人徳のおかげよね、とファンとしてとっても嬉しかったです。
これだけ本音トークの方だから、おべっかを言うとは思えませんもんね。

一つ前のトピのトレイラーのダウンロードもありがとうございます。
映画を見れるのはまだまだズー-ッッと先なので、何度もループ再生して心慰めてます。

投稿: HIDUKI | 2006.08.24 18:25

mate_teaさん
レベルテ氏はとても率直な方のようなので、こういう人に褒められるということは、とても価値がありますよね。
>最近、原作者の方が「あの映画は自分の作品とは全く別物です!」という公式見解...
某日本製アニメですね。
映画と本は違うメディアなのですから、脚色はあって当然なのですが、やはり原作の世界観とか、全体を貫いている精神を表せていないものは、作者としては容認できないでしょうね。
その点、アラトリステは作者のお墨付きが出たのでバッチリですよ。

mizeaさん
レベルテ氏はあまりネタバレを気にしてないようです。本はとっくにベストセラーですしね。
レベルテ氏は硬骨漢という感じなので、こういう対談も遠慮がなくて、面白いんですよ。

HIDUKIさん
レベルテ氏はすっかりヴィゴのことを気に入ってますよね。彼も自分の作り出したキャラクターが息を吹き込まれたことをとても喜んでいることが伝わってくるので、早く見てみたいという思いがますます強くなるばかりです。

投稿: punkt | 2006.08.24 23:59

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