« ENGLISH JOURNAL 9月号 | トップページ | HoVのDVDに来日インタビューはなし »

EL PAISの記事の紹介(その1)

先日、とりあえず画像をご紹介した、EL PAIS Semanal の8月6日付けのアラトリステの記事の前半を、viggo-works の paddyさんが英訳してくださいました。

とても読みでがあって、なかなか良い記事なので、ヴィゴに関係するところを中心に、抜粋してご紹介します。

アラトリステの宮廷          by ROCÍO GARCÍA

「私はとてもこの脚本が気に入った、そしてもしも本当に私にこの役をやって欲しくてこれができるのなら、私にとって名誉なことだよ。私はやりたいな。」 これが監督のアグスティン・ディアス・ヤネスが近頃、ニューヨークの俳優ヴィゴ・モーテンセンに、アルトゥーロ・ペレス・レベルテによって作り出された、苦悶する17世紀のスペインの途方もない兵士、アラトリステの役をオファーした時の、簡単かつ確固たる回答だった。彼らは2003年12月にベルリンの豪華なホテルで会った。ヴィゴ・モーテンセンはロード・オブ・ザ・リング3作目のプロモーション中だった。ディアス・ヤネスは、双方(ヴィゴとヤネス)の友人である、脚本家で映画制作者のレイ・ロリガと共にでかけ、彼がこの、9月1日公開される壮大なアラトリステの冒険に役に立つ、魔法の会見の始まりをセットした。
「最初に私が彼と会ったとき、彼は裸足で、ドアが閉まってしまうのを防ぐためにタオルをはさんで部屋の外にでてきた。私たちは部屋の中に入ったが、部屋はちらかっていた。ヴィゴがワインを1本開けて、私たちは話はじめた。彼は私たちをロード・オブ・ザ・リングのプレミアに連れて行き、私たちは夕食を取りに外にでかけ、それから部屋に戻った。そして私たちは朝の6時まで部屋にいたんだ。彼は私たちを素晴らしくもてなしてくれて、私たちは笑い転げたよ。それ以来、すべてはたやすくなったんだ。」

ヴィゴはこのベルリンの会見の前に、ロリガを通して送られていた脚本をすでに読んでいたそうです。ヴィゴ本人はこの役をすぐにやりたい、と思っていたものの、ヴィゴのアメリカの友人やエージェントはスペイン映画に出ることに反対していたようで、2ヶ月後、ヴィゴから引き受けると電話で連絡があったそうです。

子供の時9年間アルゼンチンに住んでいたニューヨークの俳優は、裸足で、マテ茶を飲み、手巻きのタバコをホテルの小さなバルコニーで吸いながら、柔らかくハスキーなスペイン語で明らかにした「スペインでは、私がこの話に加わるのはおかしいと思った人たちがいた。アメリカでは、なぜ私がこれをするのか尋ねた人たちがいた。私はそういう人たちに、この脚本はとても良くて、今まで読んだ中でも最も良いものなんだ、と答えた。アラトリステのストーリーが気に入っただけでなく、この時代が気に入ったんだ。これは、興味深い役柄、学問の世界以外ではあまり知られていない歴史的な時代の価値のあるプロジェクトなんだ。私は、現在のアメリカの世界規模の帝国と似ていることに、とても興味をもった。現在のアメリカ帝国の衰えと、スペイン帝国の17世紀を通しての衰えはとても良く似ている。国際的な負債のなかに我々はいて、人命と資源を無駄に使っている。私たちは軍隊を持ち、拠点を持ち、無理な軍事費を費やし、見知らぬ人々が住んでいる見知らぬ土地に入り込み、そこでは人々は我々を恐れ、憎み、映画の中でオリバーレス伯公爵に答えてアラトリステが言うように、決して我々に一息つかさせないだろう。もしも、この映画の話が現代だったら、たやすくアラトリステは古参兵のアメリカ人軍曹で、1991年のイラク戦争に参加し、パナマや中央アメリカの汚い戦争にも参加していたとできるだろう。そして、イラクの都市ファルージャに侵攻することはたいして役に立たないと知っていながら彼はただそれをおこなうんだ。それは何も目的を達成しないのに、人命とお金と評判を失うのだ。」

アラトリステの配役について、監督は最初からこの映画はスペイン語で撮影し、かつビッグスターが必要だと考えていたそうで、これらの2つの条件が1つになった、ほとんど唯一の名前がヴィゴだった、としています。

しかしヴィゴは、スペイン語を完璧に話すスターというだけではなかった。クルーのすべて、特に彼とこの冒険を共にする俳優たちはみんな、彼について素晴らしいと言っている。彼は最高の仲間だった。彼は最も黄金の世紀の歴史について読んだ1人だった。彼は本やCDを、その時代を味わうためにすべての役者仲間に送った。「他の人たちがすることをそそのかそうとかコントロールしようというのではなく、私が発見したことを共有するためなんだ。」とモーテンセンは言った。彼は毎日プレゼント持ってきた。彼はクルーの間で分配するためのキャンディーやガムなどでいっぱいの袋を持って撮影にやってきた。花、マテ茶やアルゼンチンのケーキも。彼はまた何枚かTシャツをデザインした。

そしてさらに、イニーゴ役のウナクス・ウガルテの証言によると

「僕が子供の時に sugusのキャンディーが大好きだったと彼が知ったら、ある日、僕の更衣室の床の上に、すべてsugusで作られた僕の名前を見つけたんだ。」

ヴィゴもわざわざ手の込んだことをしたんですね(笑)。 sugusというのを調べてみたら、スイスのKRAFT FOODS社のキャンディーのブランドのようです。

またある日、ヴィゴは彼と会いたいと願っている病気の女の子クリティーナと過ごしました。
NGOの"Fundación Pequeño Deseo"(小さなお願い基金)の企画で、2005年5月31日にクリスティーナの11歳の誕生日をTalamanca del Jaramaで、ヴィゴが一緒にお祝いしてくれたのだそうです。彼のトレーラーに迎え入れて約2時間、たくさんのプレゼントやサプライズを彼女に与えて、クリスティーナのお母さんによれば、彼女は決してこの日のことは忘れないだろう、断言していたそうです。

paddyさん、大作の翻訳ありがとうございました。

EL PAISの記事の紹介(その2)

|

« ENGLISH JOURNAL 9月号 | トップページ | HoVのDVDに来日インタビューはなし »

Viggo Mortensen」カテゴリの記事

アラトリステ」カテゴリの記事

コメント

paddyさん punktさん ありがとうございます(*^_^*)。読み応えありでした♪
まったく他語学にも能力ない私にとっていつもありがたいです。 
ヴィゴはどの撮影現場でもかわらずやはりいつものヴィゴですねぇ!そんなヴィゴが大好きです(>_<)

投稿: つっちー | 2006.08.10 19:30

「アマデウス」のモーツァルトが英語を喋っていることに耐えられずに5分でビデオを止めた私としては、スペインの物語の映画がスペイン語で制作されたのは非常に良いことだと思いますね。

しかしこの長大なお話をどうやって1本の映画にまとめたのか、本当にそれは成功しているのか、いまだ不安が勝る私です。

投稿: かとう | 2006.08.10 21:32

つっちーさん
お役にたてて何よりです。
paddyさんは記事の前半をすべて訳してくださってるんですが、私は手抜きでさらにその半分だけなんですけどね。
ヴィゴはどこでも、いつでも、やっぱりヴィゴです(笑)

かとうさん
ああ、確かに、「アマデウス」のモーツァルトは英語をしゃべってますね。
日本の「アマデウス」の舞台で、日本語をしゃべる日本人の顔立ちのモーツァルトを見慣れていたので、私はあまり気になりませんでしたよ。
なんでもモーツァルトは、いずれまたロンドンに行こうと英語をちょっと勉強してたそうですから....(無理やりこじつけ(笑))

投稿: punkt | 2006.08.10 22:41

実は私吹き替え派で、指輪物語も全部吹き替えで見ました。特に英米以外が舞台の映画で俳優が英語喋るのを字幕で見るのは何か不思議すぎるので。

投稿: かとう | 2006.08.11 00:51

かとうさん
確かに、英米以外が舞台なのに、音声は英語、目は日本語の字幕、というのは変な感じですよね。
でも、俳優さんの本来の声を覚えてしまうと、日本語吹替えはやっぱり変な感じです。
ぜんぜん声が違うんですもの。

投稿: punkt | 2006.08.12 00:07

なるほど。ディープなファンはそうなりますか。私は声優の上手い芸を堪能したい口です。

投稿: かとう | 2006.08.12 10:07

かとうさん
今となっては、ヴィゴやショーンの声を吹替えで聞くと、どうにも落ち着かなくていけません。
ものすごく違和感を感じます。

投稿: punkt | 2006.08.12 22:42

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ENGLISH JOURNAL 9月号 | トップページ | HoVのDVDに来日インタビューはなし »