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アラトリステ原作本より(その5)

(その4)に引き続き、スペインのアラトリステのファンサイト Capitan-Alatriste の英語のフォーラムで、doctor-Qさんが英語に訳してくださった、原作1巻目・冒頭部分のご紹介の第5弾です。

今回は、アラトリステの古傷の描写が出てきます。

そのマントは彼と同様に悪臭を放っていた。彼の服も、雄牛の耳を貪りつくせるほどの南京虫だらけだったが、ディエゴ・アラトリステを本当に高く買って信用している、若い頃ナポリで兵隊だった床屋、トスカーナ人メンドの風呂屋で1時間もたたずに問題は解決した。
私が着替えと、キャプテンがボロボロの衣装戸棚に入れてある、それしかない残り一組の上下の服を持って到着した時、彼は木製の風呂桶のすっかり汚れた水の中に立って体を乾かしているところだった。トスカーナ人が彼の顔を綺麗に剃ってあって、彼の茶色の髪は、短く、濡れて、後ろに梳かしつけられ、中ほどで二つに分けられていた。むき出しの左側の広い額は、牢獄の中庭の日光で日に焼けて、左の眉にかけて小さな傷跡があった。体を乾かして、ズボンとシャツを身に付ける間、私はすでに知っている他の傷跡をよく見た。1つは半月のような形で、へそと右の乳首の間にあった。もう1つはかなり長く、太腿にジグザグ形をしていた。どちらも剣か短剣といった刃物によるものだ。背中にあるもう1つの傷跡は違っていて、間違いようもなく銃弾による星型のものだった。
5つ目のものが一番最近のもので、これはまだ治っていなかった。これが、夜、彼を眠らせないもので、紫色の切り傷で、ほとんど手のひらほどの長さがあるフルリュースの戦いの土産だった。それは一年以上経っていたが、時々傷口が開いて化膿した。だがその日、傷の持ち主が風呂桶を出た時は、そう悪いようには見えなかった。
上唇には傷跡はないようですが(笑)、左の眉のところ(ショーン・ビーン?)をはじめ、歴戦の勇士は体中傷跡だらけのようです。
私は、彼がゆっくりと無造作に服を着るのを手伝った。ダークグレイの胴着と同じ色のズボンを穿き、靴下の繕いを隠すブーツのすぐ上の膝のところで閉じる。それから、私が彼が不在の間に気をつけて油を塗っておいた革のベルトを身に付け、その刃やハンドガードの部分にかつて他の刃物によってつけられたへこみや、引っかき傷のある、大きなガビラネス(剣の十字型の手を守る部分)の剣を装着した。これは優れた剣で、長くて恐ろしげなトレドのもので、鞘から出し入れすると果てしない鳥肌がたつような金属製の音がした。
その部屋にあった、壊れた体半分ほどの鏡で身だしなみを確認した後、彼は疲れたような笑みを浮かべた。「ちくしょう」 彼はつぶやいた。「喉が渇いたな」

今回の記事の参考にさせていただいた、doctor-Qさんの英訳は、こちらでご覧いただけます。やはり同じものが Viggo-Works の Forum にも転載されています。

アラトリステ原作本冒頭部分のご紹介も、次回が最終回です。

 ⇒ アラトリステ原作本より(その6・最終回)

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アラトリステ」カテゴリの記事

コメント

punktさん、その5を読みましたよ。ちょっとドキドキしました…^^;コミック本の湯浴みの場面ですね。こんなに早くその5がUPされると、最終章(その6)もすぐですね。ちょっと寂しい気がします。
早速その5もリンクさせてくださいね。

投稿: Miki | 2005.03.21 06:17

Mikiさん
さっそくの感想、ありがとうございます。
リンクももちろん、よろしくお願いします。
そうです、例の「湯浴み」シーンです。
これって、アラトリステの傷跡を紹介する、実に巧みな方法ですよね。
アラトリステを合理的に裸にして見せる方法として実に自然で、作者の鮮やかな手腕に感心しました。
本の挿絵や、コミックだと、アラトリステは黒髪だと思っていたのですが、ここの記述だと髪は茶色なんですよね。
Tamalancaの撮影現場でも目撃されたヴィゴの髭や髪が黒く染められていなかったのもうなずけます。

投稿: punkt | 2005.03.21 13:30

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