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アラトリステ原作本より(その1)

El Capitan Alatriste (Las Aventuras Del Capitan Alatriste)"No era el hombre más honesto ni el más piadoso, pero era un hombre valiente."
「彼はこの上もなく清廉潔白でもなければ大そう敬虔なわけでもなかったが、勇敢な男だった。」

アラトリステ原作の第1巻目 El Capitán Alatriste は有名なこの書き出しで始まります。

スペインのアラトリステのファンサイト Capitan-Alatriste の英語のフォーラムで、doctor-Qさんが、原作の冒頭部分を英語に翻訳したものを連載してくださっています。
さすがに、シリーズ全体で200万~300万部売れたベストセラーの小説なだけあって、英語に訳していただいたものを読んでも、判りやすくてぐいぐいと話に引き込まれる感じです。
また、この冒頭部分を読むと、アラトリステの容姿、雰囲気などが生き生きと描写されていて興味深いので、何回かに分けて紹介したいと思います。

アラトリステ・シリーズ(現在5巻目まで)は、すべてイニーゴの回想による語り、という形で物語が進んでいきます。
まずは、主人公アラトリステの紹介です。

彼はこの上もなく清廉潔白でもなければ、大そう敬虔なわけでもなかったが、勇敢な男だった。
彼の名前は、テノーリオのディエゴ・アラトリステと言って、かつて、フランダースの戦いで、第3連隊(訳注:スペインの軍制では歩兵連隊)の兵士として戦った。
私が彼に会ったとき、彼は意気消沈してマドリッドに住んでいて、4マラベーディ(スペインの硬貨の単位)で卑劣な仕事 -だいたいは剣士として、自分自身の問題を解決する技術や勇気のない者に代わって - を請け負っていた。お判りのとおり、裏切られた夫だとか、不当な相続だとか、ちゃんと支払われなかったゲームの掛け金だとか、そういったようなものだ。

そして、続いてアラトリステの剣の腕前について説明されます。
彼は、本当に剣の腕は良かったのだが、さらに、ビスカイナと呼ばれる、細くて長い短剣を持つ左手を密かに振るうのが上手かった。玄人の剣士がよく補助として使うあれだ。相手が自分自身の剣を振るうのと、突きを高い位置のフェンシングの構えでかわすのに忙殺されていると、突然、下から腹に真っ直ぐ、電光石火の早業の短い突きが入って、告解をする間もないのだ。

制作発表のインタビュー記事の中でも、汚いフェンシングの手も使う、と書かれているのがこの辺を指しているのでしょう。
さらに、キャプテンと呼ばれるようになったいきさつが説明されます。ここの部分は要約で...

アラトリステは、士官として正式にキャプテン(大尉? 大佐?)だったことはなかったのですが、若い頃に一兵士として参加した戦闘で、本当のキャプテンが戦死した時に、部隊をまとめて率いたので、その時についたあだ名なのだそうです。
その戦いは、フランドルにおけるオランダ連隊への奇襲作戦で、夜の間に30名の兵士と指揮官のキャプテンが凍った川を渡ってオランダ軍の寝込みを襲い、夜明けとともにスペイン軍本体と合流する作戦でした。しかし夜明けになってもスペイン軍本体はやって来ず、結局、敵の真っ只中に見捨てられた奇襲部隊から次の日の晩に生きて戻ってきたのは、アラトリステとイニーゴの父親のロペ・バルボアの二人だけでした。


今回の記事の参考にさせていただいた、doctor-Qさんの英訳は、こちらでご覧いただけます。
同じものが、Viggo-Works のフォーラムにも転載されています。

 ⇒ アラトリステ原作本より(その2)

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アラトリステ」カテゴリの記事

コメント

わ〜、ありがとうございます。
punktさんが紹介してくださったこの冒頭部分で、すっかり物語に引き込まれますね。とってもわくわくして、この先を読みたくなっています。
punktさんの日本語訳連載(!)が楽しみです。

投稿: えり子 | 2005.03.15 09:16

冒頭部分がとってもいいんですよね。
本筋に入る前の、登場人物を紹介する部分は、順次掲載していく予定ですので、お楽しみに(笑)

投稿: punkt | 2005.03.15 18:00

punkt様、初めまして。
Viggoの新作映画について検索していて、こちらにお邪魔しました。とても面白そうな本ですね。順次掲載分、楽しみにしています。

投稿: 銀の匙 | 2005.03.21 00:30

銀の匙さま
こちらこそ、はじめまして。
検索でお越しいただけたのですね、ありがとうございます。
アラトリステについては、スペインのサイトしか発信源がない状態なので、スペイン語が読めない当方としては、情報収集に苦労しています。
できる範囲でアラトリステ情報をご紹介していますので、またお越しください。

投稿: punkt | 2005.03.21 01:10

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